モータースポーツの世界では、2輪・4輪とも世界的な知名度を誇るショーワは、量産車の世界でも、ショックアブソーバーや電動パワーステアリングのリーディングカンパニーとしても知られている。
ホンダ・シビック4ドアでは、ソフトウェアの変更によるステアリングフェールの変化を体験。
ホンダ・アキュラMDXではベルトドライブ式ラックアシストEPSの静粛性を体験
ホンダ・RDXではIECASの積載検知による制御を味わった。
今回、栃木県の「塩谷プルービンググラウンド」で開催された技術体験イベント「ショーワ・テクノロジー・エクスペリエンス」では、実際にアメリカやヨーロッパの郊外路面の3Dデータを用いて作られたワインディング路などを、様々な試験車両で走行した。
ホンダ・N-BOXに装着されていたメカニカル式の可変ダンパー「SFRD」は、ノーマル車両よりしっかり感のある走りを実現。
フリクション特性と油圧流路の改良により、微振幅減衰特性を向上させた次世代コンベンショナルダンパー「S-SEES(エス・シーズ)」や、CAN情報を元にバネ上の動きを推定演算することで、高精度な減衰力電子制御を行い、さらに積載状態に応じた最適な制御も可能にした「IECAS(イーキャス)」、様々なステアリングフィールの演出が可能な第2.5世代のデュアルピニオンアシスト電動パワーステアリング「DPA-EPS」、またIECASとDPA-EPSの協調制御などを実際に体験。最先端シャシー制御技術のレベルに、ただただ驚かされた。
「S-SEES」を装着したホンダ・フィットの、素晴らしく滑らかな乗り味は、もはやコンパクトカーの常識を覆すレベルだ。
これら以外にも、独自の先進的な製法により製造時間とコストを抑え、車両の低振動化と大幅な軽量化を可能にした1ピース型CFRPプロペラシャフトや、ステアリングにかかるトルクをリアルタイムでモデリングすることで、タッチセンサーや静電容量センサーを使用せずに、ステアリング保持状態を判断できるシステム、ダンパーとステアリング、ブレーキ、eLSD、4WDを全て協調制御させた状態の車両のシミュレーションなど、興味深い技術が盛り沢山。軽量化や冗長性向上のノウハウも多く持つショーワは、世界中の自動車メーカーから、ますます注目を集めることになりそうだ。
屋内では、CFRPプロペラシャフトやダンパーなど、カットモデルやパネルなどを用いてエキスパートによる技術説明が行われた。
シャシー協調制御のシミュレーターは、手に汗握る面白さ。実際に実験車両も制作中だという。
https://www.showa1.com/jp/