フィンランドに本拠を置くノキアンは、世界初のウインタータイヤを生み出した老舗。自動車メーカーの信頼も厚く、推奨ウインタータイヤの地位も獲得しているがその特長は製品開発の核だという優れた安全性と驚異的な低燃費性能にあるという。
欧州産らしいドライ性能の高さと安全性への細やかな配慮が魅力
ノキアンは、1934年に世界初のウインタータイヤを送り出した老舗メーカー。ベテランのクルマ好きには冬用モデルのハッカペリッタシリーズがお馴染みのはずだが、北欧諸国とロシアではウインタータイヤだけでなく、サマータイヤでもトップのシェアを獲得している。その製品開発において最も重視されているのは冬用、夏用を問わず安全性とのことで、そうした真摯な姿勢は自動車メーカーも高く評価。メルセデス・ベンツやBMWといったプレミアムブランドからは、推奨ウインタータイヤの指定も受けている。
本拠地のフィンランド北部には、世界最大級のウインタータイヤ用テストコースを擁するノキアン。生産はいまのところ100%ヨーロッパだが(フィンランドとロシア)、2020年にはアメリカでも新工場が稼働。
そんなノキアンがリリースするスタッドレスタイヤにおける旗艦、ハッカペリッタR3/R3SUVにはウインタータイヤのパイオニアであるノキアンらしい技術が惜しみなく投入されている。まず、トレッド剛性を高める3Dロックサイピングや2層構造のトレッドコンパウンド採用などで、ドライ路面の高速域でも優れた安定性を実現。速度レンジは170km/hまで、45プロファイル以下のサイズでは190km/hまで対応する。これは160km/hまでが主流の国産勢より高い設定だ。
HAKKAPELIITTA R3/R3は独自のクライオ・クリスタル3コンパウンドを採用。トレッド面には残溝を容易にチェックできる加工も施される。サイズは14~21インチまでの72モデルを用意。
また、冬用タイヤながらエコ性能に優れることも魅力だ。ランフラットを除くサイズでは、日本の低燃費性能「AA」に相当する低転がり抵抗を実現。通常、サマータイヤと比較するとウインタータイヤは燃費が低下する傾向にあるが、ノキアンではサマーのエコタイヤに匹敵する経済性が期待できる。
HAKKAPELIITTA R3
スタッドレスとしての機能は独自のブレイドグルーブでスノー性能を、アイスバーンでは高強度の多角形粒子を配合したクライオ・クリスタル3コンパウンドなどで優れた安全性を確保しているが、リアルな使用環境で威力を発揮する細かな配慮も見逃せない。
HAKKAPELIITTA R3 SUV/SUVは16インチ~22インチまでの75モデルをラインナップする。サイドウォールにはアラミド繊維を採用し、縁石やキャッツアイ等にぶつけた際の耐バースト性能を大幅に向上。
HAKKAPELIITTA R3 SUV
トレッド面やサイドウォールにはタイヤの残溝、空気圧が簡易にチェックできる加工が施され、常に安全な状態で使用できる。また、ハードな使用環境も想定されるR3 SUVではサイドウォールに軽量かつ高強度なアラミド繊維を配合。パンクのリスクが低減されている。
なお、特殊サイズを含めて両モデルともにラインナップは豊富。その意味では、高性能車にも狙い目のスタッドレスといえそうだ。
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