【フロントライン】「マセラティMC20」新世代トライデントの熱き咆哮を聞け!

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完全新設計のミッドシップスーパースポーツ

MC20(マセラティ・コルサ2020)と名付けられたこのモデルは、スタイリングからも想像が付くようにミッドシップレイアウトのスーパースポーツカーである。注目すべき点はいくつもあるけれど、シャシーもボディもエンジンも完全に新設計で、すべてがマセラティのお膝元であるモデナで生産される。

マセラティ初となるバタフライドアを採用。サイズは全長4669mm、全幅1965mm、全高1221mm、ホイールベース2700mmでグラントゥーリズモとほぼ同寸。

過去のマセラティのモチーフを取り込んだエクステリアデザインは、奇をてらわない比較的オーソドックスなもの。カーボンモノコックのボディ(=キャビン)を採用し、その前にフロントアクスル、後ろにパワートレインとリアアクスルが繋がる構造も、この種のミッドシップスポーツカーではもはや定番の手法である。

現地時間2020年9月9日夜に本国モデナと東京とニューヨークで同時発表。欧州向け生産は2020年末に開始、日本での価格は2650万円となる。

エンジンはこういう時期なので電動化のユニットだろうと想像したがまさかのコンバッションで、気筒数も8でも10でもなく3LのV型6気筒だった。“ネットゥーノ”と命名されたV6はツインターボで、F1由来とされるプレチャンバーを持つ。プレチャンバーはプラグの先端部分にもうひとつの小さな燃焼室を持ち、ここで発生した火炎がシリンダーへ送り込まれる仕組み。このほうが燃焼時間を短縮できて燃焼効率が上がるという。結果としてリッター当たり200psを超える最高出力630psを達成し、730Nmの最大トルクを発生するに至っている。ドライサンプなのでエンジン高が抑えられ、6気筒なので重量も軽く、車両重量は1470kgと発表されている。

ミッドに縦置きされる新開発のV6。トラスミッションは8速DCT。最高速は325km/h以上、0-100km/hは2.9秒以下と公表されている。

電動化を打ち出しギブリHVを発表したばかりで非電動化のスポーツカーか? と思ったら、今後BEVとコンバーチブルが追加されるそうだ。さらに来年には新しいSUVとグラントゥーリズモの後継モデルもお披露目されるという。MC20は、マセラティの新しい時代の扉を開けたのである。

ふたつの液晶パネル配置して、センター側をタッチパネルとしたコクピット。ステアリングにはエンジンスタートとローンチコントロールのボタンが備わる。

シートはSabelt製のバケットタイプを採用。MC20のデビューと同時に、これをベースにモータースポーツへの本格参戦も発表された。

ルボラン2020年11月号より転載

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2020/10/12 11:00

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