日本メーカーの回復、着々と進む

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マイナス幅が予想以上に減少。ホンダ、 スバルは7月の海外生産がプラスに転換

新型コロナウイルスにより国内生産、海外生産ともに一定期間ストップさせなければならなかった自動車メーカーだが、その回復は予想以上に進んでいるようだ。乗用車メーカー8社の7月の世界生産台数は、その多くはまだ前年同期比マイナスではあるものの、減少幅は明らかに縮小。特に海外生産は回復が早く、トヨタ自動車は6月の11.6%減から1.7%減へと戻し、中国に限れば6月に引き続き2ケタ増と好調で、主力の米国では6月の16.3%減から早くも19.0%増とプラスへと転換。日本が22.0%減とまだ厳しい状況ゆえに世界生産はマイナスだが、生産台数の多い海外での回復は業績向上に大きく貢献するはずだ。
ホンダも中国と米国の生産回復で、海外生産が10カ月ぶりにプラスへと転換。トヨタと同じく日本生産の回復遅れで世界生産は1.4%減とプラスにはならなかったが、現在の世界情勢を考えると、ここまでの回復は予想以上と見てもいいだろう。なおスズキは、世界生産は10.4%減ながら、国内でハスラーやジムニーが好調で、国内生産は25.5%増と8社の中で唯一プラスとなっている。
スバルも米国でのアウトバック生産の増加で6月に続いて海外生産はプラスとなり、国内のマイナスをカバーして世界生産は0.02%増とわずかながらもメーカー唯一のプラスへと転換。6月が25.3%減だったことを考えると、これも予想を超える回復ぶりだ。ダイハツは国内生産が0.01%減まで回復しているが、これはロッキーなど登録車の販売が国内で好調なためで、スズキとともに国内販売がプラスとなっている。
日産自動車、マツダ、三菱自動車はまだマイナス幅が大きいが、6月よりマイナス幅は縮小しており、回復基調にあることは間違いない。1~7月の累計台数は4月からの生産調整が響いてまだ8社ともに2ケタ減だが、この状況を見ると年内にはかなり回復すると思われる。世界的なウイルス感染がまだ収まっていないだけに先行きの不透明感は拭えないが、三密を避けられる移動手段として乗用車の需要が高まるという見方もある。年末にかけてさらに販売増、生産増に拍車がかかることを期待したい。

ルボラン2020年11月号より転載

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