2019年にフルモデルチェンジを遂げたトヨタGRスープラ。このたび最上級グレードの 「GRスープラRZ」が一部改良するとともに、特別仕様車が設定された。早速、そのパフォーマンスをチェックしてみよう。
サーキット寄りのセッティングに変更
直6エンジンを搭載する貴重なスポーツカーとして人気のGRスープラが一部改良を受けてパワーアップした。
今回の試乗車は100台限定の特別仕様車「RZ“ホライゾンブルーエディション”」で、ボディカラーは新色のホライゾンブルーを纏う。
圧縮比を11.0から10.2へ下げ、シリンダーヘッド一体型だったエキゾーストマニホールドを別体にするなどの変更を受けて最高出力は47ps増の387ps。最大トルクは500Nmと変わらずだが、高回転での吸気量を増やすため、発生回転数は1600〜4500rpmから1800〜5000rpmへとわずかに高回転寄りにされている。合わせてフロントサスストラットにブレースを装着してボディ剛性を強化するとともに、サスペンションのセッティング変更も行われている。少しサーキット走行寄りにしたそうだ。
3L直6ターボを搭載する「RZ」は、最高出力を従来比47psアップの387psに。またフロント部にブレースを追加し、ボディ剛性を強化している。
雨上がりのワインディングというあまり好ましくないコンディションだったが、新型スープラは実に扱いやすいモデルへと生まれ変わっていた。エンジンはやや高回転型になったとはいえ、トルクバンドが広くて扱いやすくデメリットは皆無。それでいて5000rpm以上での回転上昇感に勢いがあり、しかも直6のサウンドがさらに良くなっている。排気音ではなく、前方から聞こえてくるので、エキゾーストマニホールドを変更した効果なのだろう。
インテリアには、表皮にアルカンターラとブラックの本革を組み合わせたシートを採用。また、随所にブルーステッチを施した仕様としている。
サーキット寄りというからゴツゴツとした乗り心地を想像していたが、まったく違ってしなやか。ボディやサスペンション周りの剛性が高くきちんとストロークするからだろう。さらに、ターンインから立ち上がりに向けてのアクセルオンという一連の動作が素直でスムーズ。電子制御デフのセッティングでいいところを見つけたようだ。
特別仕様車はマットブラック塗装の19インチ鍛造アルミホイールを特別装備。新型はスープラのロゴ入りレッドキャリパーが装着される。
従来モデルとの比較ではなく単独試乗だったので違いがわかるかどうか不安だったが、全体的な動的質感の向上が一発で体感できた。さほど大きな改良ではないが、進化の幅は想像以上に大きいのだ。