ジープがアメリカンプレミアムSUVを再定義。市販モデルは2021年に発表
9月3日、FCAはジープの新型プレミアムSUVのコンセプトモデル「グランドワゴニア・コンセプト」を発表した。
ジープファン、あるいはアメリカンSUVファンにはご存じだろうが、ジープブランドにとって「ワゴニア」、「グランドワゴニア」というモデルは伝説のネーミングである。1962年に登場したワゴニアは、オートマチックトランスミッションを搭載した最初の4輪駆動車で、近代的なSUVの市場を開拓。1984年に追加設定されたグランドワゴニアはレザーシートやエアコン、AM/FMステレオラジオ、追加された遮音材を備えたほか、エンジンの出力/トルクが向上しプレミアムアメリカンSUV先駆けとなり、1991年まで生産された。
それから約30年の時を経て、グランドワゴニアのネーミングが復活を遂げた。このたび発表されたコンセプトモデルはワゴニア再生の最初のステップとなるもので、同社はグランドワゴニアの市販モデルを2021年に発表し、再定義されたプレミアムアメリカンSUVを世に問う。
グランドワゴニア・コンセプトでは、電動化されたパワートレインや洗練された4×4オフロードシステム、そしてSUV史上初のパッセンジャースクリーンなど、最先端のプレミアムテクノロジーを誇る。3列シートを備えた広々としたキャビンも特徴に挙げられる。
フロントマスクは、ジープ車の伝統である7スロットグリルを採用。このグリルには黒曜石のアクセントが備わるほか、格子の上部をプロジェクター式LEDヘッドライトから伸びるLEDで繋ぐ手法を用いることで、エレガントなルックスとボディのワイド感を強調。LEDの上部には「WAGONEER」の車名バッジが照明付きで装着される。フロントバンパーにはオブシディアンブラックのフロントスキッドプレートと、アクセント付き牽引フックが組み込まれ、ルックスの洗練性と機能性を両立させている。
リヤビューでは、クオーター部から巻き付くように設置されたLEDコンビネーションランプが個性を際立たせている。バンパー下部にはディフューザーが設置されエアロダイナミクス性能も追求されている。
ルーフは全面ガラス張りで、1列目から3列目シートまでキャビンの開放感を最大限に引き出す。ルーフの両端には青銅の格子で支えられたチーク材によるルーフレールが装着される。なお、この格子のデザインテイストは、フロントの牽引フックやドアミラーステーなどにも用いられている。
2-2-3レイアウトの3列7人乗りキャビンを採用したインテリアは、モダンなアメリカンスタイルを採用するとともにプレミアムな雰囲気を発散。細部にまで作り込まれたインテリアの仕上げは、アンビエントライトによって強調される。フロントからリヤまで採用された大きなサイドウインドーは、オリジナルのグランドワゴニアから受け継ぐもので、キャビンの開放感や見晴らしの良さを実現する。
インテリアは一方で、デジタル化にも積極的だ。12.3インチのドライバーディスプレイのほか、センターパネルには12.1インチと10.25インチのタッチディスプレイを配置。さらにインパネ助手席側には10.25インチのタッチディスプレイを搭載。2列目シートでは30インチのスクリーンが利用可能なほか、フロントシートの背面やコンソール部に10.1インチのディスプレイが備わる。
インフォテイメントシステムはFCA最新の「Uコネクト5」が搭載され、従来型と比べて5倍の処理速度を実現。コンテンツが豊富なほか、パーソナライズの強化も図られているこれまででもっとも高度なUコネクトシステムとなる。
アメリカの高級オーディオブランド「マッキントッシュ」のシステムを採用している点も見逃せない。24チャンネルアンプとカスタム化された23スピーカーにより、臨場感にあふれる音場を実現。アルミニウムとグロスブラックで仕上げられたスピーカーカバーのデザインもプレミアムなインテリアの雰囲気にひと役買う。
市販モデルに搭載されるパワートレインは、プラグインハイブリッドシステムが採用される予定。これはジープブランドが今後数年間ですべての車種に電動化モデルを設定する計画に沿ったものだ。
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