【海外試乗】「メルセデス・ベンツ Eクラス」アッパーミドルクラスのリーダーがフェイスリフト

MERCEDES-BENZ E-CLASS
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メルセデス・ベンツの実質的な屋台骨であるEクラスが今春から順次フェイスリフト。全モデルが出揃ったところで、お膝元のシュツットガルトを基点に試乗会が開催された。現場では全モデルに試乗したが、ここではセダンに的を絞って改良点をお伝えする。

今度のEクラスはより先進的で快適に

メルセデス・ベンツのベストセリングカー、Eクラスの現行モデルは2016年に登場、これまでにセダン、ワゴン(オールテレイン)、クーペ、カブリオレを合わせて計120万台が全世界に向けて出荷された。そして4年目に入った今春、フェイスリフト版が発表されたが、その内容はデザイン、パワートレイン、インフォテイメントなど多岐に渡り、今回の試乗会にも4機種すべてが勢揃いした。ここでは誌幅の関係上、ベースとなるセダンの第一報をお伝えする。
エクステリアでは、ワイドになったグリルオープニング、目頭が尖ったマルチビームLEDヘッドライトと、それに呼応するように鋭角的になったリアコンビランプなどが主な改良点。インテリアは今年1月のティザーイベントで公開された新デザインのステアリングホイール、12.3インチモニターが2枚並んだワイドスクリーン、対話型インフォテイメントのMBUXが新採用となっている。

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基本フォルムに変更はなく、エクステリアでは前後ライトユニットが新デザインとなり、より豊かな表情に。

パワーユニットでは、6気筒だけでなく4気筒のガソリン(M254)とディーゼル(OM654M)にも48Vマイルドハイブリッドが採用されたのがニュース。これらはほぼ日本へも導入されるが、今回の試乗ではPHEVを搭載するE300e 4マチックを選択した。パワーユニットは211psと350Nmを発生する2L 4気筒ガソリンターボと112psと440Nmの電気モーターの組み合わせで、システム出力は320psと770Nm。カタログ上の性能は0→100km/h加速が5.8秒、最高速度は250km/hでリミッターが介入する。なお、EVモードでの最大航続距離は49~53km、13.5kW/hの電池は専用ウォールボックスで1.5時間、ドイツの家庭用電源(220V)では5~6時間でフル充電できる。

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どこか躍動感を増したかに見えるリアビュー。エキゾーストパイプは左右2本出し。充電口はリアバンパーの上に配される。

着座してすぐに勉強する必要があったのは、新しいステアリングのスポークに並ぶタッチスイッチの操作で、最初はちょっと戸惑ったものの、スマホの要領でスクロール&プッシュ、呼び出したい情報を即座に得ることができた。この人間工学的な操作系と高品質なインテリア、身体を自然にしっかりと支えるシートによる快適な移動空間はまさにメルセデス・ベンツ。エアサスペンションを装備したシャシーも相当に快適だが、ドライブプログラムをスポーツすると、アクティブなスポーツセダンにも変身。攻めのドライブにも十分に対応してくれる。

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E300eが搭載するのは2L 4気筒ターボに電気モーターを組み合わせるプラグインハイブリット。システム出力は320psと770Nm。

一方、ADAS(先進運転支援システム)も充実しており、アクティブクルーズコントロール(ディストロニック)では、ほぼレベル3に近い自動追従運転を可能にしている。手放しでは当然アラートが発せられるが、ステアリングリムには圧力センサーが内蔵されており、操舵力を加える必要はなく、ドライバーがそっと手を添えるだけでアシストモードは継続される。また、アーバンガードは駐車中に盗難やイタズラを感知するとスマホを介してオーナーに警告を伝えることができる。

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左右2本ずつのスポークにタッチスイッチが並ぶ新デザインのステアリング。スマホ感覚で必要な情報を呼び出すことができる。

ドイツではすでに7月から予約受付が始まっている新型Eクラス。このE300e 4マチックのベース価格は5万9970ユーロ(約760万円)と発表されている。日本への導入開始は今秋からの予定で、セダンにはこのPHEVから435psのE53AMGまで全8モデルが用意されるはずだ。なお、日本での価格は現時点ではまだ発表されていない。

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室内空間のパッケージやシートには特に変更はない。身体を包み込むように支えてくれるたっぷりとしたシートはメルセデスならでは。

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リポート=キムラ・オフィス/Kimura Office ルボラン2020年10月号より転載

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