「7分29秒81」のラップタイムは2016年の計測時から約13秒も短縮。新型パナメーラのパフォーマンスが大きく進化したことを裏付ける
ポルシェは8月26日に発表した新型「パナメーラ」で、ドイツ・ニュルブルクリンク・サーキットのラップタイムを計測。一周20.832kmのノルドシュライフェ(北コース)を7分29秒81で走り抜け、エグゼクティブカー・カテゴリーの新記録を樹立した。
この計測は新型パナメーラの発表前となる7月24日に実施されたため、ボディにカモフラージュが施された。当日の気温は22度、路面温度34度という環境のなか、新型パナメーラはコースイン。ステアリングを握ったのは、同社のテストドライバーを務めるラース・カーンだ。
サーキットトラックでのラップタイム計測のため、レーシングシートとセーフティケージを装着し、ドライバーの安全を確保。なお、装着したタイヤは、市販モデルでもオプションで選択可能なミシュランのパイロットスポーツ・カップ2である。
果たしてカーンの操る新型パナメーラは、当日13時49分にコースインしたのち、わずか7分29分81後にフィニッシュラインを通過。エクゼクティブカー・カテゴリーで見事、新記録を樹立したのである。カーンは走行後、次のようにいコメントしている。
「シャシーやパワートレインなどの機能を強化した新しいパナメーラは、世界で最もタフなレーシングトラックとして認識されているこのニュルブルクリンクで、とても際立つパフォーマンスを発揮してくれました。(難所コーナーのひとつである)ハッツェンバッハや、ベルクワーク、そしてケッセルチェンでは、電子制御式のロール・スタビリティ・システムの新しいセットアップが一貫して効果を発揮し、凹凸のある路面にも関わらず、新型パナメーラは信じられないほどの安定性を実現しました。(ドライバーに最も恐れられているといわれるコーナーの)シヴェーデンクロイツでは、横方向のダイナミクスの向上に加え、新しいミシュラン製スポーツタイヤの向上したグリップの恩恵を受けられました。パナメーラでは不可能だと思っていたはずのコーナリングスピードを実現したのです」
パナメーラのプロダクトラインを担当するトーマス・フリームス副社長は、次のように述べている。
「パナメーラはツーリングサルーンでありながら、真のスポーツカーでもあります。新型パナメーラはそれがさらに強化されたのです。(新型は)エンジンの出力向上に加えて、コーナリングでの安定性、ボディコントロール、ステリアングの精度といった面で改善を実施していますが、このたびの新記録はこの改善を象徴するなによりの証拠です」
ちなみに、今回の計測時にステアリングを握ったラース・カーンは2016年にも当時のパナメーラ・ターボ(エンジンは550psを発揮)をドライブし、同様にラップタイムを計測。7分38秒46を記録している。それから4年後となる今回の計測では、その記録を約13秒短縮したことになる。