やはりルビコンが王様! その価格も実に魅力的
ジープのテストフィールドとしても有名な巨岩が連なるルビコン・トレイル。その名を冠した最上位グレードのルビコンは、4ドアのアンリミテッドと限定車の2ドアの2種類が用意されていた。新型ラングラーが登場した当初からカタログには2ドアのラングラー・スポーツが載っていた。だが人気がないのを見越して受注生産だったので、日本の路上で見かける機会は皆無に等しく、今回の試乗会でも希望が殺到。最初は4ドアからドライブすることにした。
JEEP WRANGLER UNLIMITED RUBICON
ジープの王様はルビコン専用のロックトラックフルタイム4×4システムのスイッチをいじるまでもなく、大雨で濡れた粘土岩のラフロードをズシズシと上っていく。途中でせっかくだからと4Lモードに入れたらあまりに遅くてイライラさせられた。ルビコンの副変速機のレシオは他のラングラーより低いので、ちょっとしたオフロードでは完全にオーバースペックなのだ。
JEEP WRANGLER RUBICON&UNLIMITED RUBICONは3.6L・V6自然吸気/2つのエンジンパワーを比較すると、V6自然吸気の方が14ps最高出力が高く、直4ターボの方が53Nm最大トルクが上回る。オフロードではV6自然吸気の方がアクセルコントロール性は良好だったが、燃費性能はJC08燃費で9.0km/L、11.5km/Lと、後者の直4ターボの方が優秀。
一方、下り坂はせっかくなので4Lモードのみで選べる前後デフロックとスウェイバーの解除を試した。ぬかるんだ急斜面の、所々深く掘られたワダチという程度の路面では、前後のデフロックはやはりオーバースペック。けれどスウェイバーの解除は車体の姿勢がフラットになることですぐにそれとわかる有効な装備だった。
JEEP WRANGLER UNLIMITED SAHARAは2.0Lターボ
モーグルのジャンプ台でジャンプするわけではないのだが、台からの急角度の下りでモニターに映し出される角度は32度だった。それでもタイヤが少しも滑り出す感じがないところにラングラーの懐の深さが感じられた。
JEEP WRANGLER RUBICON&UNLIMITED RUBICON/ルビコンには「ロックトラックフルタイム4×4システム」の操作スイッチと、スウェイバーの切り離しを行える「電子制御式フロントスウェイバーディスコネクト」ボタンがセンターコンソールにある。
JEEP WRANGLER RUBICON&UNLIMITED RUBICON
盤石の走りを見せたアンリミテッドだが、初物の2ドアはそのさらに上を行く別物だった。動きが軽快で、大してステアリングを切らなくても素直に回頭してくれる。
JEEP WRANGLER UNLIMITED SAHARA/サハラはデフを電子制御する「セレクトラックフルタイム4×4システム」を搭載。
ちなみに4ドアと比べると車重は130kgほど軽く、ホイールベースは550mmも短縮されている。2460mmというホイールベースは、短いと言われるBMW Z4よりさらに10mm短いのである。
JEEP WRANGLER RUBICON(2ドア)/2ドアモデルの後席へは、平均的な身長の男性でもよじ登るようなアクセスを求められる。ラングラーの荷室容量は通常時で192L、後席を倒した状態で587L。(※FCAイタリア公表数値)
とはいえオフロードで感じるのは全体の取り回しの良さである。
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何しろ軽快なので、車幅も狭くなったように感じられ、少しコースを外れて冒険したい気持ちが湧いてくる。リアシートへのアクセスは普通の車高のクーペ以上に面倒なのでファミリーユースにはお勧めできないが、オフロードのスポーツクーペとして考えれば2ドアのルビコン以上はないだろう。
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特にオプションを追加することなく、ほぼフル装備の最上級ルビコンで共にお値段600万円前後。最後のシメがTVショッピングっぽくなってしまったが、これもドイツ車目線からすると驚愕の数字であり、日本におけるジープ人気を支えている要因なのだと思う。
JEEP WRANGLER UNLIMITED RUBICON(4ドア)/ラングラー・アンリミテッドは通常時で533L、後席を倒した状態で1044Lとなる(※FCAイタリア公表数値)。
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