最大操舵角10度の後輪操舵システムや後席用前方エアバッグ、側突時に車高が上がり乗員への衝撃を緩和する「PRE-SAFEインパルス・サイド」を採用
7月29日、ダイムラーは9月に発表を予定している次期型「メルセデス・ベンツSクラス」のティザーコンテンツ「Meet the S-Class DIGITAL」の第2弾として、「Innovation by Intelligence」をテーマとした同車に採用される快適性や安全性に関する装備や技術を発表した。
次期型Sクラスのティザーコンテンツ「Meet the S-Class DIGITAL」は、7月8日に第1弾が公開。「My MBUX」をテーマに最新型の対話型インフォテイメントシステム「MBUX」の進化ぶりが紹介された(当サイトでの掲載記事はコチラ)。このたび公開された第2弾は「Innovation by Intelligence」というテーマで、快適性や安全性を高める装備や技術にスポットがあてられ、複数の新技術や新機能が採用されていることがアピールされている。
次期Sクラスにオプション設定される「リヤアクスルステアリング」は、いわば後輪操舵システムのことで、低速では前輪と逆位相に、60km/h以上では同位相に操舵するもの。この機能は後輪の舵角を10度と4.5度の2種類から選択できる。
これにより新型Sクラスの旋回円は最大2m減少。現行型でも十分長い全長やホイールベースのSクラスだが、新型の最小回転半径は5.5m未満に抑えられ、駐車時などでの取り回し性が向上している。その一方で、高速走行時は同位相に操舵されるので、ハンドリング性能や安定性の向上に寄与。新型Sクラスは大型なボディながらコンパクトカーに迫る扱いやすさや、より高められた俊敏性が与えられている。
メルセデス・ベンツの予防安全技術「PRE-SAFE(プレセーフ)」には、新たな機能として「インパルス・サイド」が追加された。これはオプション設定となる48Vシステムをベースとしたエアサスペンション「e-アクティブ・ボディ・コントロール」との組み合わせにより、側面衝突の恐れが生じた際、車体を数10分の1秒以内に上昇させ、衝突時の衝撃をできるだけ抵抗力のある下部の構造部に向けさせるもの。これによって乗員は衝突による衝撃を極力低減させることができる。
「リヤシートエアバッグ」は、世界初となる後席左右乗員用の前方エアバッグ。激しい正面衝突が起きた際は穏やかに展開し、乗員の頭や首への衝撃を大幅に減少させることが可能となる。
乗員保護性能を高める機能としてはこのほか、シートベルトのバックルの位置を暗闇でも見つけやすくする「照明付きシートベルトバックル」や、MBUXとの組み合わせによりカメラで助手席に設置した「チャイルドシート検知機能」、運転席と助手席の間で展開し、前席乗員同士の頭部接触リスクを低減する新しい「センターエアバッグ」の採用が挙げられる。
そして、死角検知機能の「ブラインドスポットアシスト」はさらに進化。運転席または助手席のドアを開ける際に、後方からサイクリストなどが接近している場合に警告を発するようになった。
駐車操作を支援する「アクティブパーキングアシスト」も進化した。車体に取り付けられるセンサーは前後12個の超音波センサーとなったほか、新しく開発されたユーザーインターフェイスにより、タッチコントロールで操作が可能に。さらに、後退時の緊急ブレーキ機能「リヤクロストラフィックアラートとも連携。もちろん先に触れたリヤアクスルステアリングを搭載していれば、よりタイトな場所での駐車が容易になる。