高品質のオーディオ/ビジュアル製品で世界的に有名なバング&オルフセンは、今年で創業90周年。これを記念したアイテムが多数登場しているが、ここではカジュアルに持ち運びができるポータブルスピーカーをご紹介しよう。
※この記事はル・ボラン2015年5月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
Bang & Olufsen BeoPlay A2
最近、アンティークの真空管ラジオが気になってしょうがない。きっかけは普段聴いている音楽がどんどん時代を遡り、戦前の曲が中心になってしまったからだ。当然CDで聴くわけだが、いちいちディスクを換えるのが面倒くさいし、ネタも尽きてきた。
そこで思いついたのが、インターネットラジオを真空管ラジオで聴く、という方法だった。これなら一日中流しっぱなしで聴いていられる。ちょっとショボい真空管ラジオの音も当時の雰囲気に合うかもしれない。
そんなおり、バング&オルフセンが創業90周年を迎え、ワールドプレミアとなる記念モデルの発表イベントを行った。
会場ではモダンとビンテージが融合したリビングルームに、TVやスピーカー、ヘッドフォン、リモコンなど最新モデル6点にローズゴールドの限定カラーが施された記念コレクションが展示されていた。斬新なデザインと温かみのあるカラーがマッチし、こんなオーディオに囲まれた空間で日々過ごせたら、どれほど気分も上がるだろう。
だがそこでもっとも目を引いた、というか耳を傾けたのは、屋外に置かれていた小さなスピーカーだったのだ。流れていたのは90周年にちなんだ1920年代のジャズボーカルで、ノイズ交じりの曲と現代的なデザインのスピーカーとのコントラストがとても新鮮だ。
これはカジュアルラインであるB&O PLAYから昨秋発表されたブランド初のブルートゥーススピーカーで、携帯性を追求してノート型デザインにしたそうだ。確かに一般的な外部スピーカーは正方形や球体が多く、バッグの中でもかさばってしまう。
さらに優れているのはボディの表裏を問わず、360度全方位で音が楽しめるということだ。これなら置き場所を考えることなく、大人数がドライブ先でも音楽を楽しめる。ブルートゥースなので誰の愛聴曲でも聴けるし。
これを見ていて思い出したのは、15年ほど前にコペンハーゲンで手に入れたバング&オルフセンの中古ラジオだ。資料によると1970年代のものらしい。平たい四角のフォルムは最新スピーカーにもどこか通じるのだ。
音楽が身近になるほど、楽しむシーンに応じてオーディオのスタイルも多様化する。このスピーカーもそのひとつだろう。だが聴く音楽そのものは変わることはない。そのこともまたバング&オルフセンは時代を超えたデザインで示している。
ベオプレイ A2
バング&オルフセンは1925年にデンマーク北西部ストルーアで創業。以来90年間に渡り、洗練されたデザイン、クラフツマンシップ、そしてイノベーションといった独自のビジョンを貫いた製品作りで世界的な名声を獲得してきた。
今回ご紹介するのは、同社のカジュアルライン「B&O PLAY」から登場した初のブルートゥース内蔵スピーカー。インターネット接続も不要で、お使いのモバイル機器とスピーカーをペアリングするだけで、わずか数秒で再生が可能となる。また平面スピーカーとしては世界初の全方向サウンドソリューション「True360」を採用し、360度全方位に高品質なサウンドを放つのが特徴。1回の充電で最大24時間の連続再生が可能で、重さ1.1kg、厚みもたったの4.4cmとコンパクトなので、家の中はもちろん、友人との集まりに、屋外のパーティなどに簡単に持ち運べるのも魅力だ。
ショートタイプとロングタイプ(オプション)の2種類のレザーストラップが用意される。カラーは、グレー、グリーン、ブラックの3色。価格は39,800円(税込み)。
●問い合わせ先:バング&オルフセン ジャパン/TEL:03-6438-0150 https://www.bang-olufsen.com/en