英国の老舗バイクメーカー「ブラフ・シューペリア」とのコラボモデル。カスタマーへの納車は2020年末からの予定
アストンマーティンはこのほど、イギリスの老舗バイクメーカー「ブラフ・シューペリア」とのコラボレーションによって企画・開発したレーストラック専用バイク「AMB001」のテストプログラムを開始したと発表。フランスはポー・アルノのサーキットトラックにおけるテスト走行の模様を公開した。
2019年11月にミラノで開催されたモーターサイクルショー「EICMA2019」で初公開されたAMB001は、世界100台限定で生産される。エンジンは180psを発揮するインタークーラー付きターボチャージャーを備えるVツインで、カーボン製ボディパネルをはじめ、チタンやビレットアルミニウムなど厳選されたマテリアルを採用しているのが特徴。乾燥重量は180kgと発表されている。ちなみに予定販売価格は10万8000ユーロ(約1300万円)だ。
デザインはアストンマーティンのミッドシップ・シリーズである「ヴァリキリー」や「ヴァルハラ」からインスピレーションを得ており、デザインとエンジニアリングを巧みに融合し、高性能な芸術作品としてカタチにしたと、同社は説明している。
そんなAMB001は2020年末からカスタマーへのデリバリーがスタートする予定だが、このほど、包括的なテストプログラムが開始された。公開された写真や動画は、ポー・アルノで最初に行なわれたテスト走行の模様だ。
このたびの発表に際して、アストンマーティンでCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)兼上級副社長を務めるマレック・ライヒマンは、次のようにコメントしている。
「この特別なモーターサイクルはロードカーと同様に、美しいデザインと最新のテクノロジーの融合により、コレクターが誇りとするバイクを生み出した結果です。この素晴らしいマシンの生産が始まる瞬間をとても楽しみにしています」
プロトタイプによるテスト走行では、アストンマーティンのビークルダイナミクスエンジニアがクルマを“読む”ように、ブラフ・シューペリアのテストライダーが、バイクの全体的なダイナミックフィーリングからコーナリング、ブレーキング、そして加速にいたるまで、パフォーマンスの詳細をチェックし、エンジニアリングチームにフィードバックする。
ブラフ・シューペリアのティエリー・ヘンリエッタCEOは、このバイクの特色を次のように紹介している。
「AMB001の主要な機能のひとつに、サドルの下を通り抜けるカーボンファイバータンクの全長に沿って走るアルミニウムフィンが挙げられます。フィンを保持し、サドルをサポートするボディパネルは、航空宇宙品質の専門的なカーボンファイバースキルを適用させています」
サーキットトラックにおけるテスト走行では、おもにシャシーに焦点が当てられているが、エンジンについてはベンチテストが並行して行なわれる。180psを発揮するインタークーラー付きターボチャージャーエンジンの大きなインテークマニホールドを備えた印象的なラジエーターは、Vツインエンジンにスーパーカー用エンジンさながらの迫力が与えられた。
テストプログラムが完了すると、AMB001はこの秋からフランスはトゥールーズにあるブラフ・シューペリアの工場で生産が始まる。