新型GLBには2Lのガソリン仕様とディーゼル仕様を、新型GLAには2Lディーゼル仕様を設定
6月25日、メルセデス・ベンツ日本は、メルセデス・ベンツの9車種目となる新型SUV「GLB」の日本導入を発表した。同時に全面改良を受けて2代目に生まれ変わった新型「GLA」も導入を発表。両車はいずれも同日より予約注文受け付けが始まり、オーナーへの納車は7月頃からの予定となっている。
●「メルセデス・ベンツGLB」モデルラインアップ
・GLB 200 d:5,120,000円
・GLB 250 4MATICスポーツ:6,960,000円
●「メルセデス・ベンツGLA」モデルラインアップ
・GLA 200 d 4MATIC:5,020,000円
※価格はいずれも消費税込み
GLBは、車名末尾のアルファベットが示すように、GLAと「GLC」の間を埋める存在として誕生したブランニューモデルだ。メルセデスの究極オフローダーである「Gクラス」からインスピレーションを受けたスクエアなフォルムや、高い悪路走破性を備えた本格派でありながら、2-3-2レイアウトによる3列7名乗りキャビンを備えたマルチパーパス性も兼ね備えているのが特徴だ。
ボディサイズは全長4650×全幅1845×全高1700mm(GLB250 4MATICスポーツ)で、ホイールベースは2830mm。1クラス上のGLC(全長4670×全幅1890×全高1645mm/ホイールベース2875mm)に迫るサイズなのは、GLBが3列シートキャビンの持ち主だからと捉えるのが自然だろう。最低地上高は約200mmが確保されているので、気兼ねなく悪路に踏み込んでいけるほか、普段使いでのちょっとした段差を越える際のストレスからも解放される。
2830mmのロングホイールベースを生かして、GLBには乗員が快適に過ごせる居住空間が与えられている。2列目シートは140mmの前後スライドが可能なほか、60:40の分割可倒&スライド機構を採用。後ろにスライドさせれば広くて快適なレッグスペースが作り出せるほか、前にスライドさせて積載性を向上させることも可能だ。また、バックレストは40:20:40の分割可倒式で、角度を8段階に調整可能だ。
3列目シートは、2列目シートのバックレストにあるロック解除レバーを操作することで、2列目シートが前に倒れてスライドし、ワンタッチで乗り降りすることができる。また、3列目シートを使用しない場合は格納できるので、そのぶん荷室スペースを広げられる。なお、3列シートは安全上の理由から対応身長が168cm以下となっている。
荷室容量は3列目シート使用時で130L、2&3列目シートのアレンジによる最大時は1680Lに拡大できる。荷室フロアには2段階の高さ調整が可能で、荷室内には小物入れやフックが設けられており、使い勝手が追求。さらに足をリヤバンパー下部に差し入れるだけでも開閉できる「EASY-PACK自動開閉式テールゲート」が標準搭載されているので、利便性だけでなくアクセス性も良好だ。
スクエアなフォルムのエクステリアデザインは、シンプルでありながらパワフルなイメージ。メルセデス・ベンツ製の本格SUVであることが明確に示されている。フロントはクローム仕上げで力強いデザインのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットがSUVとしての存在感とパワーを表現。大型のラジエターグリル内には、メルセデス・ベンツのSUVに共通する特徴的なツインルーバーデザインが施され、スクエアなデザインのヘッドライトとともにSUVらしさを強調している。なお、AMGライン(GLB 200 dにオプション、GLB 250 4MATICスポイーツに標準)の場合、ダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンなど、スポーティさを強調するデザインとなっている。
サイドビューで特徴的なのは、エッジやラインを減らしつつ、前後ドアパネルやリヤフェンダーなどの面の張りで力強さを表現している点。フロントエンドとリヤエンドがほぼ垂直に切り立ったスクエアなデザインとなっていることや、フロントからリヤにかけてボディの下部を飛び石などから守るプロテクターが装備されていることも本格SUVであることを表現する要素となっている。
そしてリヤでは、上下方向に細く横に長い2分割型コンビネーションランプが採用されており、ボディのワイドさが強調されている。
パワーユニットはディーゼルとガソリンそれぞれ1機種を設定。エントリー版となる「GLB 200 d」には150ps/320Nmを発揮する2L直列4気筒ディーゼルターボを、上級に位置付けられる「GLB 250 4MATICスポーツ」には224ps/350Nmを発する2L直列4気筒ターボを搭載。トランスミッションはいずれも8速DCT(8G-DCT)だ。ちなみにWLTCモード燃費はGLB 250 4MATICスポーツで12.0km/Lと発表されている(GLB 200 dの数値は未発表)。
GLB 250 4MATIC スポーツに採用される四輪駆動システム「4MATIC」は、ドライバーがダイナミックセレクトのスイッチを操作することで、基本の前後トルク配分比を変化させることが可能だ。四輪駆動クラッチを制御する特性マップは3つあり、一般的な走行状況における基本的な前後トルク配分比は、ドライブモード「ECO/コンフォート」で80:20、「スポーツ」では70:30となる。一方、オフロード走行では、四輪駆動クラッチがセンターディファレンシャルロックのように働き、 基本トルク配分は50:50に。どのモードにおいても路面状況に応じて連続的にトルク配分比を変化させることで、常に最適な駆動力の伝達を可能にし、オンロードでの安定性や効率性とオフロードでの走破性を高次元で両立している。
また、センターコンソールにあるダイナミックセレクトのスイッチで「オフロード」を選択すると、トルク配分やABSのマネジメントにより、悪路走破性が高まるほか、マルチビームLEDヘッドライトが車両の直前部を広く明るく照らすモード(車速50km/hまで)となり、障害物が発見しやすくなる。さらに、急なオフロードの下り坂を2km/h〜18km/hの間で事前に設定した一定の速度で降りることができるDSR(ダウンヒルスピードレギュレーション)も装備されている。
このほか、対話型インフォテイメントシステム「MBUX」(GLA 200 dにオプション、GLB 250 4MATICスポーツに標準装備)や、スマートフォンのワイヤレスチャージング機能(全車標準装備)、さらに1列目から3列目まで、全列にUSB-Cポート(2&3列目は充電用)が設置されている点にも高い利便性への配慮がうかがえる。
そして、フラッグシップサルーンの「Sクラス」と同等のシステムを用いた先進運転支援システムの採用や、テレマティクスサービス「Mercedes me connect」も用意。安心・安全、そして便利なカーライフを送るために、万全の体制が整えられているのは、新世代メルセデス・ベンツ車に共通する大きな魅力である。
新型「メルセデス・ベンツGLA」
メルセデス・ベンツの最小SUVである「GLA」は、GLBと合わせて2代目に生まれ変わった新型が日本に導入された。
ボディサイズは全長4415×全幅1835×全高1620mmで、ホイールベースは2730mm。従来型と比べて15mm短く、30mm幅広く、115mm高くなり、ホイールベースは30mm拡大されている。前後のオーバーハングは短く、全体的にはクーペのようなスタイリッシュなフォルムが新型のルックスを特徴付けている。なお、最低地上高は新型GLBと同様に約200mm確保されている。
エクステリアでは前後のライトなど、インテリアではワイドスクリーンディスプレイを用いたインストルメントパネルなど、最新のメルセデス・ベンツのデザインによって、よりモダンで洗練された雰囲気を発散する。
運転席と助手席の着座位置は従来型より97mm高くなり、Aクラスとの比較でも140mm、Bクラスに対しては52mm高くなっている。これにより視認性が向上し、さらに運転しやすくなるとともに、乗降性も大幅に向上している。
後席のレッグスペースは、標準状態で従来型より116mm広くなり、前後方向のゆとりが大幅に向上。さらに、140mm調整が可能な60:40分割の前後スライド機構が備わり、使い勝手が向上している。なお、バックレストの角度は7段階の調整が可能だ。
後席バックレストは40:20:40の分割可倒機構により、荷室スペースのアレンジは多彩だ。荷室容量は後席使用時で425L、後席のアレンジによる最大時は1420Lに広げられる。リヤゲートには新型GLBと同様に「EASY-PACK自動開閉式テールゲート」が標準装備されているので、アクセス性もいい。
「GLA 200 d 4MATIC」に搭載するパワートレインは、150ps/320Nmを発揮する2L直列4気筒ディーゼルターボと8速DCT(8G-DCT)の組み合わせで、4WDシステム「4MATIC」が搭載される。WLTCモード燃費は16.5km/Lと発表された。
対話型インフォテイメントシステム「MBUX」、Sクラスと同等のシステムを採用した先進運転支援システム、そしてテレマティクスサービス「Mercedes me connect」は、新型GLBと同様に採用されている。