【海外試乗】「ミニ・ジョン・クーパー・ワークスGP」ついに公道へ解き放たれたリトルモンスター!

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新型ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)GPは高性能な2Lターボを搭載、シャシーにも専用チューニングが施されるが、注目はやはりそのデザインだ。2017年に公開されたコンセプトカーの超過激なスタイリングが、ほぼそのままのカタチで落とし込まれているのである。さて、気になる走りっぷりは?

予想以上の高性能に思わず興奮!

ミニのもっともシャープなハイエンドモデル、ジョン ・ クーパー ・ワークスGPは2006年にクーパーSのキットモデルとして限定2000台が誕生。続いて2013年にはJCW GPとして同じく2000台が出荷された。そして3代目は今から1年前のニュルブルクリンク24時間レースでプロトタイプのエキジビジョン走行が行われた。そしていよいよ、その年の秋に開催されたロサンゼルス・モーターショーで市販タイプが公開されたのだ。

全世界限定3000台のみを生産するミニJCW GP。日本へは限定240台導入され、今年の夏頃より順次納車が開始される予定。ボディカラーは専用開発の「レーシング・グレー・メタリック」を採用するとともに、ルーフとミラーキャップはメルティング・シルバーとしている。また、専用サスペンションやスポーツブレーキシステムなども備わる。

待った甲斐があった! いよいよドイツでの発売を機に試乗のチャンスが与えられたのである。
実は、このJCW GPの発表と試乗会はスペインのマヨルカ島にあるサーキット「レースアレーナ」で行なわれる予定だった。しかし新型コロナの感染拡大で中止、今回ミュンヘン郊外のアウトバーンを含む一般道路で試乗を行なった。もちろんサーキットでのような全開走行はできなかったが、それでも究極のミニは予想以上の走行性能で興奮を与えてくれた。

エンジンは2L直4ターボで、最高出力は306ps、最高速度は265km/h。冷却系や吸排気系、エンジンマネジメントは専用となる。

開発コードはF56と呼ばれる4世代目のミニをベースに、BMWM135iですでに定評のある2L 4気筒ツインパワーターボエンジン(開発コード:M48)を搭載。最高出力は306ps/5000~6250rpm) 、最大トルクは450Nm/1750~4500rpmを発生する。そして8速スポーツATとの組み合わせで、重量1255kg(DIN)のボディを0→100km/hまでを5.2秒で加速し、最高速度は265km/hに到達させる。

JCW GP伝統となる十字デザインの専用18インチアルミホイールには、 225/35R18サイズのハンコック製のスポーツタイヤを組み合わせる。

ミニJCW GPがラジカル・スポーツバージョンと呼ばれるのは、まず何よりも羊が狼でなく、虎の皮を羽織ったような周囲をはばからないパフォーマンスパーツを身につけていることだ。まずフロントでは、巨大な開口部を持ったスポイラー、カーボン製のオーバーフェンダー、リアはダブルルーフスポイラー、そして2本のマフラーカッターが覗くデュフューザーが目に入る。一見、街のチューナーが手作業で作ったような雰囲気だが、それがまた不思議と暴れん坊な魅力を醸し出している。

先代モデルと同じくリアシートを装備せず、フロントシートの後ろにはクロスバーのみを採用。ダークカラーとレーシングモデルに相応しい素材の組合せで、スポーティさと上質さを融合させた贅沢な空間となっている。

一方、赤いアクセントラインが目立つインテリアはそれほどブッ飛んでいないが、後ろを振り返るとリアシートの代わりに真っ赤な補強バーが只者でないことを強調する。スターターボタンを押してアクセルを踏み込むと4WDの助けなど必要ないほど高いトラクション性能でダッシュを始める。10mm低められたシャシーによって、2495mmと比較的短いホイールベースでも高速直進安定性は申し分ない。また、ブレーキは4ピストンのキャリパーを持った360mmのベンチレーテッドディスクで、強力かつコントローラブルな制動力を見せる。

このミニJCW GPのメインステージはなんと言ってもワインディングロードである。ここでは文字通りのゴーカートフィーリング、しかも次元を超えたスポーツハンドリングを楽しませてくれるし、全長わずか3.9mのミニモンスターをまるで弾丸のように瞬間移動させてくれる。連続するタイトコーナーでは、もちろんドライバーにはそれなりの緊張感が要求されるが、それをマスターした時の達成感はまさにスポーツドライブの醍醐味である。
このブッ飛びミニの日本向けの割り当て台数は240台で、価格は576万円と発表されている。

ルボラン2020年7月号より転載

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2020/06/15 11:00

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