衝突バリアが動く? ユーロNCAPが安全評価基準をアップデート!

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新たな衝突試験方法「移動物への正面オフセット衝突」を採用

欧州でクルマの安全性をテストする第三者機関である「ユーロNCAP(ヨーロピアン・ニュー・カー・アセスメント・プログラム/※読み:ユーロエヌキャップ)」はこのほど、衝突安全性の試験方法に「車両などの移動物へのオフセット正面衝突」を採用したことを発表した。

ユーロNCAPの衝突試験はこれまで、静止物に対する正面衝突やオフセット衝突、側面衝突を実施。これによって「成人乗員保護性能」や「子供乗員保護性能」、「歩行者保護性能」、「安全補助装置」の4項目について評価されてきた。

この衝突試験のうち、これまでのオフセット衝突に代えて、移動する車両との衝突を想定した正面オフセット衝突を新たなテスト方法として採用した。このテストでは、車内の乗員の保護レベルを評価するだけでなく、車両のフロント部分の構造が衝突相手の損傷にどのように寄与しているかも評価。これにより、近年各自動車メーカーが積極採用している安全運転支援技術のさらなる進化を促進するためのヒントも見えてくると期待される。

さらにこの衝突試験方法は、衝突後に乗員を保護する方法の改善にも繋げられる。ユーロNCAPでは、衝突を未然に防ぐ技術や衝突時の安全性を改善するだけでなく、衝突後の乗員の安全性も重要視しており、レスキューを速やかに要請できるか、乗員が車外に簡単に脱出できるかといった点の評価基準も開発した。

ユーロNCAPでは、今後実施される衝突安全性試験に、このたび発表した新しい試験方法を採り入れたうえで評価。従来の試験方法とは異なるため、これまで実施された車両の評価と比較するときは注意が必要になる。ただ、先に挙げた4項目すべてにおいて基準点を上回ったクルマだけが、最高評価の「5つ星」を獲得できることに変わりはない。

ユーロNCAPは新型コロナウイルス感染拡大の影響によって衝突安全性試験をこの数カ月間休止していたが、夏頃からは新たなテスト結果の発表を再開する見通しだ。

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