ビヨンドデザインの意を持つ新作として2×10BDと共に登場した2×15BD。22インチという大口径で、昨今の主軸となったフルサイズプレミアムカー勢に焦点を当てた。それは大口径がもたらす迫力を活かしながら、ホムラらしい繊細な表情を持つ。アーティシャンスピリッツが仕立てたRXを前に、2×15BDの魅力を掘り下げる。
22インチという大口径で華麗な姿をアピールする
ホムラのクロススポーク攻勢の中で新時代を感じさせるBDシリーズは、2×10BDのほかに2×15BDも用意される。つまりは15本のクロススポークで構成される銘柄ということ。単に2×10BDを15本に細分化したわけではない。交点部分はよりリムエンドに近くに取られ、そこでは折れ曲がりながら、立体的につなぎとめられている。
また、スポークがリム全体をがっちりと掴むように着地させていないので、ホイールの中でスポークが浮かび上がっているかのようにもみえる。まるで刃物のように鋭利で、そしてその集合体はエレガントな雰囲気となる。今にも走り出しそうなダイナミックな印象まで受ける。2×10BDと同様の立体感あふれるセンターキャップも高級感抜群だ。
これだけ複雑なデザインを存分に活かすためには大口径がいい。だからこそ2×15BDは、大胆に22インチから登場した。2×15BDの主なターゲットとしては、ラージサイズのセダンやミニバン、ほかには最近、人気を博しているSUVなどフルサイズプレミアムカーとしている。
アーティシャンスピリッツのフルエアロをまとうレクサスRXを支える2×15BD。22インチながら過度な大径感はなく、自然と調和する。センターへの落とし込みや大理石調のベースプレートから“RAYS”のエンブレムが宙に浮いているかのような立体感あるセンターキャップ、そしてリムへとつながる際に二股に分かれるデザイン処理など、すべてが美しくエレガントだ。かねてよりセダン系を主軸に据えて己の世界観を表現してきたホムラが、今回はフルサイズプレミアムカーへと標準を合わせた意欲作である。
たとえば、レクサスのカスタムを得意とするアーティシャンスピリッツが仕上げたRXには、2×15BDがドンピシャだった。
レクサス自体のプレミアム性、そこにアーティシャンスピリッツが注ぐスポーティな装い。2×15BDは両者をつなぎ止めるキーデバイスの役目を果たしているかのようだ。
実際、このRXのほかに、レクサスで言えばLSやLCといったセダンやスポーツカー、あるいはメルセデスやアウディのSUV勢へも適合する。22インチという大口径をスマートに履きこなせるような車種に対して、抜かりなく2×15BDは適合している。
それにしても、22インチもの大口径を活かしてこれだけの造形を紡ぎ出す、レイズの鋳造技術にはあらためて驚かされる。重量級の車種カテゴリーを想定しながら、極限まで細く薄く、軽やかに見せる手法はもとより、繊細な造形を現実のものとする生産力、堂々とカタログモデルと謳う供給力など、どこを取ってもレイズの技術力が伝わってくる。
「ライバルは昨日の自分だ」としてBD(ビヨンドデザイン)という名で挑んだ今作も、また我々の予想を超えるものを提示してくれたようだ。