メルセデス・ベンツAクラスが大きくジャンプアップ。ボルボの健闘も光る
2019年の輸入車販売台数(外国メーカー車)は10月の消費税増税が響き、2015年以来4年ぶりの前年比マイナスとなった。9月までは増加傾向を保っていたものの、10月以降は3カ月連続で前年割れとなり、12月は前年同期比13.7%減まで後退。年間累計台数は29万9439台とわずかながら30万台に届かず終わる。乗用車ブランド別ではメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン(VW)、BMWの3強に加えてアウディ、BMWミニと上位5位のドイツ勢がそろってマイナスだったのが大きく影響。増税率はわずか2%とはいえ、高価なクルマが少なくない輸入車だけに、消費税増税の影響が色濃く出たものと思われる。
一方で5位ボルボ、6位ジープ、7位プジョー、8位ポルシェは台数では上位勢におよばないものの、揃って前年比プラスとなっている。また、10位以下でもランドローバー、シトロエン、アバルトが2ケタ増と健闘しており、脱ドイツの流れも見てとれる。この傾向が続けば、2020年の輸入車マーケットもバラエティ度が増して面白くなりそうだ。
車名別のランキングは表の通りだが、2019年もBMWミニが首位を守り、これで4年連続のトップとなる。2位VWゴルフとの差は4289台と小さくなく、逆に3位メルセデス・ベンツCクラスに2314台差で迫られている。今年後半に8代目ゴルフが上陸するまでミニの牙城は崩されそうにないが、その半面ミニも前年比で見ると8%以上減っており、テコ入れが必要な時期を迎えている。
メルセデス・ベンツAクラスは新型車導入効果で、12位から4位に大幅ジャンプアップを果たした。MBUXが市販車で初めて導入されたのも目新しさを与えたと思われる。
ブランド別で首位を走り続けるメルセデス勢はCクラスこそ台数が減っているが、Aクラスは大幅に増えて12位から4位にジャンプアップし、Bクラスも15位ながらランクイン。EクラスやGLC、CLAは台数を減らしているが、ベスト20にこれだけ入ってくるところが今のメルセデスの強さを物語っている。
BMWは3シリーズが健闘しているが、先代モデル時代の台数を超えることができなかった。ツーリングのデリバリーが遅れたのが大きな痛手だが、2020年はツーリング効果で大きく伸びると思われる。一方で5シリーズは、2018年は8位だったが2019年はベスト20圏外へと去っており、台数を減らしながらも10位以内に残っているメルセデス・ベンツEクラスと明暗が分かれた形だ。
ボルボの伸びは予想通りで、XC40のデリバリーが受注に追いついてきた点と、S60の追加で60シリーズもランクアップを果たしている。この勢いがどこまで続くか興味深いところだ。VWも13位ながらティグアンが伸びているのは朗報で、まだランクインしていないがSUV人気に乗って新顔のVWTクロスがどこまで上がってくるか楽しみだ。
そして16位ながら初のベスト20入りを果たしたジープ・ラングラーは、ブームのSUVとはちょっと違ったヘビーデューティなジープルックを武器にセールスを増やしてランクイン。唯一のアメリカ車として存在感もあるだけに、今後の動きが注目される。
期待のフランス勢はブランド別では伸びているが、車名別ではランクインするクルマはなかった。ラングラーの勢いを見習って、ぜひ2020年はベスト20に顔を出して欲しいところだ。