25台ものバスが集結!「スルッとKANSAIバスまつりin京都」リポート

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バスマニア必見!? のイベント

9月20日はバスの日、10月14日は鉄道の日です。毎年8月下旬から11月にかけてはバスや鉄道関係のイベントが各地で開催されます。そんなバスの日にちなんで、今年開催されたバスイベントから5つをピックアップしてシリーズでお届けするこの企画、最終回の第5回目は、2019 年(令和元年)6 月16 日(日)に京都市左京区の岡崎公園で開催されたスルッとKANSAIバスまつりです。本バスまつりは、2001年の初開催以来毎年9月に開催され、今回で19回目なのですが、第17回、第18回は台風に吹き飛ばされて中止になってしまったので、6月に変更して3年ぶりの開催。会場は関西二府四県を巡回していて、京都での開催は2012年以来7年ぶりとなります。スルッとKANSAI協議会加盟64社局のうち25社局の参加があり大盛況でした。平安神宮の前だったので、目当ての来場者だけでなく通りかかった観光客の”ついで見”もいたようなので、会場は大混雑でとても暑かったです。

路線バス、高速バス、観光バスなど各社のウリが並ぶバス展示
メインはやはりバスの展示。一社局1台なので各社その時々のイチオシを持ち込んでいます。どの社局も子供用の制服制帽を用意して運転席子ども記念撮影、車内の見学説明は行っていました。バスまつりスペシャルの方向幕表示の社局もあり、それをカメラに収める人も多かった。表示を簡単に変えられるLED時代ならではですね。いくつかピックアップ、一口コメントを付けてご紹介いたします。

南海バスは堺シャトルバスの新型ハイブリッド大型路線バスを展示。フルカラーLED表示器は4カ国語表示が可能とのこと。

これは珍しい中扉付きの三菱ふそうエアロバスは淡路交通。1994年(平成6年)のU-MS826P改から始まり、その後計18台が導入されるもその後のニーズや運用形態の変更のため順次廃車になり現有はこのKL-MS826P改1台のみで、これもいつまで使うかは未定とのこと。大きな故障をした場合は即廃車するらしいので、乗りたい人は今のうちに!ちなみに18台の内訳はU-代3台、KC-代11台、KL-代4台。

京阪京都交通は顔出しパネルが人気。

両備バス自慢の個室夜行高速バスドリームスリーパーは車内見学希望者で長蛇の列ができていました。このバスは全11室完全個室とNASAの理論に着想を得た、浮遊感を感じながら「深眠」できるゼログラビティ姿勢シートが売り。筆者も何度か乗ったことがありますが、着替えてリラックスできることがこんなに楽だと思わなかったですね。窓一枚一人占め個室なのでカーテンを開けるも閉めるも他の乗客に迷惑をかけないので自由というのもいい。

眠れなければ、流れゆく高速道路の景色をぼーっと眺めているのも一興。ただし衣装には注意が必要。そうそう脇見をしているドライバーはいないと思うけれど、大型トラックのキャビンと同じ高さなので、目が合って「あっ!」となることも。寝台列車の雰囲気で旅を楽しみたい人にはおすすめ。ドリームスリーパーは両備バスと関東バス共同運行の大阪―東京線と中国バスが運行する広島・福山―東京線がある。チケットが当たるクイズもやっていました。

観光系統ラッピング仕様の京都市交通局にはフロントに乗り方を示した英語ステッカーも。

カラーLED車に特別幕を掲示していた京都バスはバリアフリー教室の教材車としても使われていた。

京都京阪バスの”宇治茶バス”。宇治田原方面の観光路線用で2019年11月24日までの休日ダイヤのみの運行。デザインとラッピングだけでなく内装もかなり特別。気になる方は同社ウェブサイトをチェック!

阪急バスの、2017年に導入されこれ1台しかない創立90周年記念復刻塗装車三菱ふそうQTG-MS96VP。

展示車中最もクラシックな江若交通のツーステップ前後ドア路線バス。今や貴重。

屋根が開くオープントップバスも神姫バスと近鉄バスが展示していました。こちらは近鉄バスの定期観光バスOSAKA SKY VISTAの三菱ふそうエアロキング改。

奈良交通は夜行高速バスやまと号の日野セレガ。気持ちはわからなくはないがこれには奈良交通ファンはちょっと落胆。ここはやはり3ドアを持ってきて欲しかった。せめて前後ドア車をと思う。

まさに大人買いの部品販売
このためだけに来るという大人が熱い、各社局の部品販売コーナー。さすがにもうないだろうと思われた行先方向幕を中心に、車内運賃表示器(それも幕式の!)、整理券発行機、案内テープ、押しボタン、バス停看板など喉から手が出るアイテムが予想外に豊作で、手持ちの資金が足りないという声もちらほら聞かれるほどです。買いすぎた人たちのためにヤマト運輸ががっちりバックアップしてまして、大型部品を自宅に送る人たちで盛況。大人のバスファンはたいてい地元の会社を最も愛しているので、部品やグッズも一社局のもののみをコレクションしている人がほとんどですが、とんでもない人がいました。

長野県から夜行バスで来たという宮澤和輝さん(仮名)親子と友人のこの3人、奈良交通をはじめ数社の部品をこんなに買っていました。アルピコ交通の地元という、「スルッとKANSAI」の圏外に住んでいるのに、ここで数社の部品を集めているだけでなく、アルピコ交通に移籍した元横浜市交通局のバスを買い元の塗装に戻したいと思っているし、念願叶って手に入れた暁には家も改築するつもりだとのこと。こんな雑食のバスファンに出会ったことがないのでとても新鮮で驚きました。実現したらぜひ会いに行きたいと思います。

鉄道会社も物販テントを出すグッズコーナー
車両を持ち込めない鉄道会社の物販ブースもありました。関東圏からも加奈中などが店を出していて、種類が豊富だったこともあり人気でした。スペシャルトミカ人気も相変わらずで長い行列ができていました。トミーテックの担当者が会場を巡回していたので、バスコレ、鉄コレの新製品情報や企画を聞き出そうとしましたが、さすがに口は固かった。

その他にもうれしい展示がいっぱい
これまでの歴史がわかるパネル展示があったのはたぶん今回が初めて。消防車や警察車両も人気で長い列ができていました。川端警察署による大人専用の体験ブースも人気で、ランダムに点灯するボタンを押すモグラたたきのようなQuick Armと上から流れてくるライトを規定の位置でぎゅっと握るQuick Catchの二種類が用意されており、実際に試したところArmの方は30歳、Catchの方は34歳と、実年齢よりかなり若い測定結果に満足!

子どもが楽しめるブースがたくさん
それなりの規模のイベントなので子どもが楽しめるゲームコーナーや体験ブースが多いのが特徴です。

バスのイベントなのでバスで往復
バスのイベントに行くのだからということでバスを乗り継いで行くことに。MR238号車保存会が保有するバスに乗せてもらい九条車庫まで行き、そこから京都市バスで会場に向かいました。このバスは、1991年(平成3年)式いすゞ・ジャーニーQ MR路線仕様車U-MR132Dで、ボディは北村製作所製。奈良交通の子会社であるエヌシーバスに新車で導入され、その後奈良交通に移籍し2013年(平成25年)3月に退役した車両です。

スルッとKANSAIとは?
スルッとKANSAI協議会は、関西を中心に岡山、静岡を含めた64の鉄道・バス事業者で構成され、“スルッとKANSAI”磁気カードの共通乗車システムを活用した3dayチケット等の企画乗車券や交通需要喚起のための共同PRやイベントを実施しています。設立は2000年(平成12年)で、2004年からは電車・バスだけでなく買い物の支払いに使えるICカード決済サービス”PiTaPa“を開始しましたが、協議会の元でもある、1996年に導入された磁気のスルッとKANSAIカードは2018年1月31日(水)に利用が終了して、“スルッと”から“ピッと”になりましたし、PiTaPaだけでなくICOCA、Suicaなどの他社他地域のICカードも相互利用可能になった後、この洒落た名前がどうなるのかと心配しましたが、今のところそのままのようですね。

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