「道の駅レスティ唐古・鍵イベント」で奈良交通がバス部品即売会とボンネットバス試乗会を開催!

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ボンネットバス好きにはたまらないイベント

9月20日はバスの日、10月14日は鉄道の日です。毎年8月下旬から11月にかけてはバスや鉄道関係のイベントが各地で開催されます。そんなバスの日にちなんで、今年開催されたバスイベントから5つをピックアップしてシリーズでお届けするこの企画、第3回目は、2019年(令和元年)8月7日(水)~9日(金)の3日間、奈良県磯城郡田原本町で開催された“道の駅レスティ唐古・鍵大感謝祭”でのボンネットバスの活躍のご紹介と付近の遺跡のご案内です。

大々的な告知はしていないため知る人ぞ知る!?

大感謝祭の告知自体地味だったことに加えて、そこにボンネットバスが来るという告知はウェブサイトの奥の奥の方にひっそりとあり、知らない人が多かったので来場者はそんなに多くありませんでした。筆者自身も見落とす寸前でしたから。その代わり、バスを見たり運転手さんたちと話したりする時間はたっぷりありましたし、乗車体験も思ったときにゆったりとできた。バス部品販売も、スルッとKANSAIバスまつりの残りもののムードを感じましたが、並み居るライバルたちを押しのけながらお目当てのものを探す必要もありませんでした。そういう点ではゆったりじっくりのちょうどいい感じのイベントだったと言えるのではと思います。

ボンネットバスが現役だった頃っぽい景色の中を走る

乗車体験した8月9日(金)は夏真っ盛りの快晴。5分で肌がチリチリ、汗も流れる間もなく速乾というとても暑い日。エアコンのないボンネットバスを体験するには絶好の日よりでした。往復15分ほどの短いコースでしたが、青々とした田んぼの中を窓全開で走ると、土や稲の香り、風も存分に感じられました。窓からの風で髪の毛がぼわっとなりながら自然のいろいろを初めて体験したであろう子供たちは、楽しそうというか、非日常体験になんも言えないという感じだったでしょうか。エアコン標準の今のバスでは味わえないことですから。外から見ていてもこのあたりの景色はボンネットバスにぴったりで、現役全盛期はきっとこんなところを走っていたんだろうな、としばし子供のころにかえったような気がしました。

バスそのものにも興味津々

バスを降りたらボンネットの下に収まるエンジンに興味津々です。バスはもとより自家用車でもボンネット開けてエンジンを見ることはまずしない時代ですから。この道の駅は奈良交通の運営ということもあってか会長も来場されました。「自分は鉄道出身だからバスはあんまり……」と正直なことを言いながらもかなりの時間ボンネットバスの想い出を楽しそうに語っていらっしゃいました。運転は松山運転手、案内役は福田運転手という安定のコンビ。この日は新しい広報部員の大川真由子さんのデビューでもありました。元祖・かわいすぎる広報部員竹谷さくらさんと新・かわいすぎる広報部員との記念写真は子供も大人も大満足。

唐古・鍵遺跡とは?

せっかくの機会なので遺跡についても少々触れておきましょう。この遺跡は、奈良盆地の中央に位置する弥生時代の環濠(かんごう)集落跡。遺跡面積は甲子園球場10個分の約42万平方メートルもある近畿地方最大の集落です。まずは写真をご覧ください。何もないと思いませんか? 奈良の遺跡を見るのにはかなりの想像力が必要です。何もないところに立っている説明書きを見ながら往時の建物や人々の営みをあれこれ想像して思いを馳せる。ゴーグルなしの言わばヒューマンVRを自身の頭の中でやるのです。これが奈良の遺跡の真骨頂、奈良スタイルです。何もない遺跡の王様に平城宮跡という都跡が奈良市内にあります。今でこそ大極殿や朱雀門という復刻建築物がありますが、歴史からするとつい最近まではただの原っぱでした。

球技禁止やら何は禁止だのと年々制限が増える平城宮跡ですが、昔は野球、サッカー、凧あげ、対立する中学校のヤンキー同士の真昼の決闘など、良くも悪くもこの近所の子供たちが長い時間を過ごした場所でもあります。その遺跡のど真ん中を近鉄電車が走っているのですが、初めて奈良に来た人たちは、大和西大寺駅を発車してすぐ両側に無限に広がる何もない原っぱに「なんじゃここは?」と驚いたものです。その大和西大寺駅、たいていの人は東大寺にしか気が向いていないので単なる通過駅扱いですが、駅近くには西大寺があります。お寺の名前から東西の対に気づく人が時々います。東に対して西だからきっと大仏か大仏に並ぶ何かがあるに違いないと期待して訪れる人がいますが、肩すかしを食らって驚きます。地味ですが伝統あるい行事もありますし雰囲気もなかなかなのですが、規模という点では確かにそうです。このあたりが、岡山の西大寺に負けて”大和西大寺”と旧国名を付けなければならなくなった所以かなと勝手に思っています。岡山輸入車ショーを取材したときに”西大寺駅”も見に行きましたが、そこはただのローカル駅。全国の鉄道好きに知られ、”タモリ倶楽部”でも紹介されたことがあり、ポイントとレールが織りなす芸術的線路配置で日本一と言われる平面交差があるのに。興味のある方は”大和”西大寺駅へ!

近年奈良もいろいろ色気が出てきて、「遺跡の真ん中を電車が走っているのはケシカランからどこかへ移動させろ」と、ヤボなことを言う人が出始めていますが、世に類を見ない、遺跡のど真ん中を電車が走っていることが平城宮跡の一番の価値なのです。また、”今となっては結果的に真ん中になってしまった”だけのことなのです。近年、自分が習った教科書とはずいぶん内容が変わっているということが近年ありますが、時代が進むと歴史が変わるという、あれと同じ。気になった方は調べてください。少々脱線しました。イベント報告に戻します。

JAFのコーナーも販売コーナーも

JAFが交通安全イベントブースを出していて、オリジナルトミカの販売や子ども安全免許証発行などを行っていました。道の駅内にはカフェと、地場の特産品の販売コーナーも充実しているのでちょっといいものを買いに行くのにもいいでしょう。

大阪・京都に疲れたら何もないけど実はたくさんある奈良へ
先ほど触れた平城宮跡や東大寺は奈良県北端に位置するので京都や大阪からプローチした場合最初の奈良なのですが、このイベントが行われた唐古・鍵遺跡はやや南の田原本。更に南に向かうと橿原神宮、桜井、五條、吉野、警部で有名な十津川、気づいたら和歌山県に入っていたというところに至るまで遺跡やパワースポットが点在しています。大阪と京都で人に疲れたらツウな観光地へどうぞ。ただ、奈良市内から南は奥が深くて長いので本気になったら何日もかかりますけど。公益社団法人奈良県バス協会作成の奈良県乗合バス路線図によると、県内の市町村が運営するコミュニティバスが31、地域連携コミュニティバスが2つあります。また、日本一長距離路線の八木―新宮特急バスもありますので、これらを組み合わせて乗る、秘境を訪ねる楽しみもありますのでぜひ一度。そのあたりのことは別の機会にリポートしてみたいと思います。

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