神社で”プチ・モーターショー”を開催!?
9月20日はバスの日、10月14日は鉄道の日です。毎年8月下旬から11月にかけてはバスや鉄道関係のイベントが各地で開催されます。そんなバスの日にちなんで、今年開催されたバスイベントからピックアップしてシリーズでお届けするこのコーナー。第2回目は、2019年(平成31年)4月20日(土曜日)、21日(日曜日)の2日間開催された、“平成31年春の神武祭”から。御退位関係の儀式のために天皇陛下(現 上皇上皇后両陛下)もお越しになった奈良県の橿原神宮です。
オープニングの畝傍高校吹奏楽部のコンサートに始まり、神楽、能楽などの伝統芸能、妖怪書家・逢香による書のパフォーマンスなど盛りだくさんの2日間でしたが、クルマ関係も昭和・平成の名車大集合とスーパーカー、消防車、ボンネットバスが集うモーターショーの2つがありました。
奈良でのこういうイベントに欠かせないのが奈良交通のボンネットバス。昭和41年製いすゞBXD30型のこの個体は、新車時からずっと奈良交通に在籍しています。ボンネットバスは、他社で使われなくなった個体を観光や送迎用に買ってくるケースがほとんどなのでこれは貴重。幾度となくあった廃車の危機を乗り切り今も現役を続けています。ボンネットバスの現役時代を知る人はほとんどいない今なのに、大人も子供もみな懐かしそうないい笑顔で楽しそうにしているのが不思議だけれどそれこそがボンネットバスの魅力なのかなと思います。
ボンネットバスとスーパーカーがこんな至近距離に並ぶ光景はまず見られません。子供も大人も見たいクルマが多くてかなりの興奮状態。やっぱり子供にはスーパーカーですね。スーパーカー少年だったころを思い出します。こういう機会がもっと増えればいい。オーナーのみなさんにはもっともっと見せてもらって“見せる喜び見られる喜び”を味わって欲しい。ショーとは違って仕切りなしで見られるのもこのようなイベントの魅力。解放されたドアからぎゅーぎゅーになって社内を覗きこむ大人もたくさんいました。
普段間近で見られない、触れないと言えば自衛隊車両と消防車もそうですね。奈良県内に数台しかない高層はしご車にも子供たちは喜んでいました。自衛隊車両も、いかにもという車両だけでなく、海上自衛隊舞鶴音楽隊のトラックも見られました。展示車両ではなくライブの楽器輸送のためでしたが、戦艦写真でラッピングされた珍しいトラックにカメラを向けている人も多かった。働くクルマには人を惹き付ける魅力があります。
神社にスーパーカーは合う
イベントのフィナーレは参道パレード。駐車場からパレードに向かうクルマたちを来場者みんなで見送りました。マクラーレンやポルシェの中にボンネットバスがドンといる光景はきっと他では見られない貴重なシーン。“自動車は文化だ!”と力強い書体で大書きされたバルーンが立っていましたが、まさにそんな感じです。それに、神社にスーパーカーは合いますね。ふとそう思いました。
ボンネットバス、スーパーカー、消防車、自衛隊車両のどれも日ごろ目にしないクルマ達が目の前にあり乗り放題さわり放題(スーパーカーはオーナーによってですが)だったため、子供も大人も大興奮で、もうどこから見ようかと狭い駐車場内をあっちへ行ったりこっちへ行ったりと存分に楽しんでいるようでした。こんな間近で見られるのがローカルイベントの魅力ですね。このようなイベントはひっそりと告知されていることが多いので、油断していると実はすぐそこでやっているなんていうことがあるかもしれません!
最後にプチ情報を少々。縁結びで有名な青島神社がある宮崎市と橿原市の姉妹都市盟約50周年記念に設置された”幸せの黄色いポスト”が橿原神宮前駅前にあります。月並みですが、メールやSNS全盛の時代には手書きの郵便は心をぐっと掴むのにはいいと思います。同じく駅前には超小型モビリティレンタカー”ミチモ”がありますので、これに乗って社の杜をドライブするのも楽しそうです。橿原神宮前駅は大和西大寺を通って京都や大阪難波に通じる標準軌の近鉄橿原線と大阪阿部野橋と吉野を結ぶ狭軌の南大阪線の乗換駅でもあります。最寄りの検修車庫は標準軌線内の五位堂にしかないので検車の際にはそこまで車両を回送しなければなりません。そのために駅構内には台車振り替え場があります。運が良ければ台車振り替え作業や、近鉄のドクターイエローこと”はかるくん”が見られるかもしれません。まさに“幸せの黄色”ですよ。