スバルWRX STI vs ルノー・メガーヌ RS、世界のカルトカーWRXとFF+4WSの最新鋭対決の行方は!?【清水和夫のDST】#101-1/4

世界のカルトカーWRXの唯一無二の存在感

WRCに出場するために開発されたのがスバルWRXだ。プロトタイプの開発時にWRCの“C”を隠すために“X”を使ったが、そのままWRXが車名となった。つまり最初からグループAのラリーで勝つために生まれてきたわけだが、世界のクルマ好きにこれほど愛されているクルマは珍しい。他のスバル車とは異なり速さは文句ないが、ただし乗り味は平成初期の香りがプンプンと漂い、これを認めるのか古いと批判するのか判断が難しいところだ。例えば、アナログ式のサイドブレーキはスピンターンするには都合良いが、ハイスピードライディングでは、ステアリングの手応えが軽く、骨太のWRXのイメージに合わない。テストコースのバンク下を140km/hくらいで操舵しても印象は変わらず全体的に軽めだった。

 

スバルWRX STI タイプS/SUBARU WRX STI TYPE S

このクルマのキャラクター的にはもう少しダイレクト感を出してもいいと思う。ギアボックスは6速MTだが、シフトアップの度にパワートレインが前後に揺すられる。NVHなど、細部のつくり込みの質感や、風切音の大きさも気になるところだ。もう少し洗練させる方向でリファインしても良いのかもしれない。しかし、「これがWRXだ」と言われると納得してしまう自分もいる。それは唯一無二の存在だからかもしれない。

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2019年8月号より転載

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