フォード・エスコートRS/ぼろは着てても心は錦、失礼、クルマはエンジンが命です【自動車型録美術館】第16回

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エスコートのMk.1は1968年から1975年まで生産されました。最初の高性能版はロータス製のツインカム1557ccを搭載、それが後にコスワース製BDA=気筒あたり4バルブのDOHC 1601ccを積んだRS1600となり、更にMk.1としては最強の1701CC BDB、そしてインジェクション化されたBDCへと発展していくのです。エスコートMk.1は製造期間が7年間と長めで、しかも高性能バージョンだけでも、エンジンがロータス製ツインカム、コスワース製BDA、BDB、そしてBDCと変遷を重ねているので、カタログの種類も多めです。今回は手許にあるカタログのなかから、いくつか選んでご紹介させていただきます。

FORD ESCORT RS/フォード・エスコートRS

米国、フランスと続けてきたフォード、第3弾でトリは英国です。いずれはワルター・ゴチュケの手になる独フォード・タウナスのカタログなども紹介したいと考えています。

 

ロータスとフォード

おかげさまで自動車型録美術館もいつしか16回を数えるまでになりました。初回はロータス・エラン、そして第2回がコルチナ・ロータスでした。この並び順からも明らかなように、わたしはロータスのファンなのです。

実は今回のエスコートRSも、ロータス製のヘッドを戴くエラン用のツインカムエンジンを搭載したところから始まっています。

普通の外観に強力なエンジン

最近、テレビでも連続ドラマ化された『中年スーパーマン佐江内氏』や、そもそものスーパーマンなど、普段はごく普通の人が実は凄い、というのに憧れを感じます。

クルマの世界でいえば羊の皮を着た狼。うだつのあがらないファミリーセダンのボンネットを開くと、ロータスのツインカムや、更に強力なコスワースによるDOHC 16バルブのBDAが鎮座している。何とも魅惑的です。かつてのGT-Rもこの範疇のクルマでした。個人的には、既存の外観にとんでもないエンジンが載っている、という構成の方に強く魅かれます。

クルマはエンジンが命

27レビン/トレノ、一連のアバルト、AMGやBMWのM、等々、やはり、クルマはエンジンが命、という気がしてなりません。

 

フォードのRS(ラリースポーツ)の場合、このエスコートMk.1が原点といえるでしょう。当時はまだRSという名称の使い方もさして厳密ではなく、RS2000などは、その名から想像されるものとは異なりSOHCエンジンを搭載したモデルなのです。原点たるエスコートMk.1も良いですが、RSの究極の姿といえるサウスゲートによるRS200も素敵です。RS200のカタログと資料は、いずれとりあげたいと考えています。ちなみに下の2カットはMk.2時代のカタログ。

●サイズ(縦×横)297×210mm ●全8ページ

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン468号(2017年6月号)より転載

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