モーターは136psと154psの2種類を設定。最大航続距離は220km
ホンダは9月12日より一般公開がスタートしたフランクフルト・モーターショー2019において、新型ピュアEV「ホンダe」の量産バージョンを初公開した。
後輪を駆動するモーターは136ps仕様と154ps仕様の2種類を設定。最大トルクは315Nmを発生する。0-100km/h加速は約8秒だ。
バッテリーのエネルギー容量は35.5kWhで、1回の満充電で最大220kmの航続距離を実現。バッテリーは急速充電の場合、30分で約80%まで充電できる。
デザインはシンプルさと使いやすさに重点が置かれた。キャラクターラインを極力廃したほか、ポップアウトドアハンドルを採用するなど、ボディは滑らかなラインで構成されている。
また、外観ではコンパクトクラスで初となるサイドカメラミラーシステムを採用も特徴。サイドビューミラーをコンパクトカメラに置き換えたこのシステムは、インパネ両サイドに設置されたディスプレイに後側方の画像が映し出される。
エクステリアと同様、シンプルにまとめられたインテリアでは合計5つのディスプレイを配置したインパネの先進性が目を引く。ステアリングホイール前方には車両情報を集約したドライビングディスプレイ、その右側にはインフォイメントシステム用の12.3インチのタッチスクリーンがふたつ並ぶ。
ふたつのタッチスクリーンで表示されるインフォテイメントシステムは、音声認識機能を備えたホンダパーソナルアシスタントやコネクテッド技術を導入。「OKホンダ」と自然に話かければ、さまざまなオンラインサービスへのアクセスが可能だ。
スマートフォンに「My Honda+」アプリケーションをインストールすれば、ドアのロック/アンロックが遠隔操作できるほか、バッテリーの充電状況などが確認できる。充電ステーションやナビゲーションの検索結果を、スマートフォンからクルマに送信することも可能だ。
ホンダeはドイツ、イギリス、フランス、ノルウェーですでに先行予約受け付けを開始。2020年の初夏より順次デリバリーがはじまる。ドイツ市場での予定販売価格は136psバージョンで2万9470ユーロ(約350万円)、154ps版の上級仕様「アドバンス」は3万2470ユーロ(約386万円)だ。
ホンダは同ショーでさらに、充電・給電を可能にする「ホンダパワーマネージャーコンセプト」を発表。これは、欧州のEVユーザーと電力サービス事業者の双方に向けた総合的なエネルギーマネジメントソリューションの提供を目指したもの。最初のステップとしては、2020年のホンダeの市場導入に合わせて単方向充電器を通じたソリューション事業を開始。また、双方向充電器を通じたEVユーザーと電力サービス事業者の間で電気を融通しあう双方向のソリューション事業も2020年代前半に開始する方針だ。