ISUZU 117 COUPE/いすゞ117クーペ
いすゞ117クーペが初めて登場した東京モーターショーのことは、今でも忘れることができません。すっかり虜になったわたしは、その場を全く動こうとしなかったそうです。
ジョルジョ・サルジョット
ジョルジョ・サルジョットというイタリア人をご存知ですか。117をデザインしたのは、広く知られているように、ジョルジェット・ジウジアーロです。紙に描かれた二次元のデザインを、生産にあたり三次元のカタチにした立役者がサルジョットです。
サルジョットと日本のかかわりはプリンスのスカイラインスポーツに始まります。プリンスの招きで日本に半年間滞在したサルジョットはすっかり日本が気に入り、いすゞが117の車体製作に戸惑っていた際、その指導を快く引き受けてくれたのです。
ハンドメイド117の大判カタログ
ハンドメイドと呼ばれる初期の117には、レコードジャケットのようなカタログがあり、そのケースを大別するとシングルとダブルフォールドの2種類があります。どちらのカタログも、写真を撮影しているのは篠山紀信氏です。
忘れられないカタログ
シングルタイプのカタログは昔から手許にありました。ダブルフォールドタイプは、プリンス自動車でサルジョットと日本の縁を最初に紡いだ井上猛さんのご子息からいただいたものです。117のようにときめくクルマとカタログが、また現れることを願うばかりです。
うつくしいクルマには、うつくしいカタログを
発売時の価格を覚えているクルマはそれほど多くありません。117クーペの172万円という価格は衝撃的で今でも脳裏に焼き付いています。初めて目にした時、流麗なスタイルとインスト部分の本木目にすっかり魅せられました。クルマも実に魅惑的でしたがカタログにも驚きました。この117クーペとトヨタ2000GT(初期型)、そしてマツダ・コスモスポーツの3台が、日本車のカタログにおける個人的なベンチマークです。
ハンドメイドの117クーペのカタログは、これらのレコードジャケットタイプのほかに、通常の冊子タイプも用意されています。冊子タイプでも、使用されている写真はレコードタイプと同じ篠山紀信氏によるものでした。レコードジャケットのようなケースには、今回紹介したようにシングルタイプとフォールドタイプの2種類があり、フォールドタイプのサイズの方が若干大きくなっています。その他、記載内容に差異のあるバリエーションが存在しています。ジャケットのなかに収まる大判のシートは、基本的にどちらも同じ大きさです。後に、いすゞには珍しく、このレコードジャケットタイプのカタログは復刻されます。いすゞ社内にも、117ファンは少なくないようです。
●サイズ(縦×横)
シングルタイプ:ジャケット342mm×363mm+シート330mm×330mm(二つ折)5枚
フォールドタイプ:ジャケット348mm×363mm+シート330mm ×330mm(二つ折)5枚
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