走りのキャラは多種多彩モデル選びは嬉し悩まし
MINI COOPER 3 DOOR
このゴーカートフィーリングは、2代目を経て現行型となる3代目ミニにも受け継がれた。特に、元祖の直系となる3ドアはステアリングを切り込むと、“スパッ”と音を発したのかと思えるほどハンドリングがシャープなのだ。しかも、荒れた路面で大ざっぱにアクセルを踏み込むと、最近ではめずらしいステアリングの舵角が変わりかねないくらいのトルクステアが生じる。ハッキリいって乗り心地も硬めだ。
でも、こうしたハードな感触は想定内といえる。このセグメントとしてはゼイタクな高剛性ボディとリアのマルチリンクサスペンションを継続採用しているのだから、快適さ重視なセッティングも可能なはず。それをしないところが、いかにもミニらしい特徴でもある。
MINI COOPER S 5 DOOR
しかし、ボディタイプが増えた現代のミニは、モデルによって少しばかり走りのキャラクターが違ってくる。後席に大人が座ると窮屈な思いをさせられる3ドアに対して、大人の4名乗車を可能にするべくホイールベースを延長した5ドア。ワゴン的ポジショニングのクラブマンは、ホイールベースがさらに長い。これらは、ハンドリングではゴーカートフィーリングを維持しながら、ホイールベースに比例してスタビリティが高くなり、ピッチングも抑制できる。なので快適性も向上する。
MINI CONVERTIBLE
SUV的ポジションのミニ・クロスオーバーは、キャラクターからしてハンドリングよりもスタビリティを優先している。それでも、同セグメントのSUVモデルと比べても切れ味が心地よいハンドリングが楽しめる。しかも、クロスオーバーにだけ設定されるPHEVのクーパーSEは、走りの洗練度がイチバン高い。
MINI COOPER S CLUBMAN
フロントに1.5Lの直列3気筒ターボエンジン、リアにモーターと外部電源により充電可能なバッテリーを積むので前後重量配分が最適化、ボディ自体も補強されているためだ。さらに、バッテリー容量が十分ならモーターだけでFR的な走行が可能であり、当然ながら優れた静粛性も得ている。その意味で、クロスオーバーはお嬢様キャラ担当ともいえる。
MINI COOPER S E CROSSOVER ALL4
ところで、ミニのゴーカートフィーリングはハンドリングだけから実感できるわけではない。システム出力が224psに達するPHEVは、アクセルを踏み込んだときの加速がパワフル。各モデルに用意される2Lの直列4気筒ターボを積むクーパーSは、アクセル操作に対するレスポンスが超ダイレクトであり、一気に踏み込めば強烈にダッシュ。高性能版のJCWともなると、弾丸が飛び出すような加速すら楽しめる。
その一方で、ミニ・ワンの1.5L直列3気筒ターボは実用性を優先したエコユニットだ。同エンジンの高性能版を積む3ドアと5ドアのクーパーは、刺激こそ期待できないが加速の軽快さはいかにもミニらしい。おまけにディーゼルターボも用意され、モデルにより1.5L3気筒か2L4気筒とその高性能版を搭載。経済性を優先してもいいし、圧倒的な力強さを実感することもできる。
こうなると、もう何でもアリの状態だ。スタイリッシュな純正オプションも多彩なので、お気に入りのモデルを選ぶのもひと苦労。いや、その過程こそミニならではのエンターテイメントなのだ。
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MINIジャパン 0120-3298-14
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