ホンダがシボレーのピックアップをフルレストア

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二輪車で進出した時代にお世話になったアパッチ10を米国ホンダが忠実にレストア

米国がメインマーケットのホンダにとって、ビッグスリーの一角をなすゼネラルモーターズ(GM)は強力なライバルだが、さかのぼること60年、1959年にホンダの二輪車が初めてアメリカ上陸を果たしたとき、お世話になったのがGMシボレー製のピックアップトラックだった。西海岸に陸揚げされて当時のアメリカン・ホンダモーター(AHM=米国ホンダ)に集められたホンダ50(スーパーカブ)やCB160を、このシェビートラックの荷台に乗せ、まだ数の少なかったホンダの二輪車をあつかう販売店へ配送したという。

そのAHM60周年を記念し、米国ホンダは1961年モデルのシボレー製トラック、アパッチ10を見つけてきて入念にレストア。あわせてホンダ50、CB160もレストアして荷台に乗せ、全米のディーラーやラスベガスで開催されるSEMAショーなどを回るスケジュールを組んでいる。V8エンジンを搭載し、3速ATのアパッチ10は当時と同じレッドラインが際立つホンダカラーで仕上げられ、荷台サイドにはAMH創立当時のロサンゼルス・ウェストピコの住所も手書きで書かれている。

現在、米国ホンダはピックアップトラックのリッジラインを販売し、シボレートラックと熾烈な販売競争を繰り広げている。そんな中でもこうした粋な計らいを見せるのもアメリカ流。旧き良き時代を忘れない気概に拍手を送りたい。

フルレストアされたアパッチ10の荷台には、ホンダ50(1965年製)とCB160(1965年製)を積載。なお、アパッチ10はカリフォルニア州トーランスの本社ロビーに展示されている。

 

ル・ボラン2019年9月号より転載

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