0-60マイル(約97km/h)加速は3秒未満
7月18日、ゼネラルモーターズはフルモデルチェンジを受けて8代目を数える新型「シボレー・コルベット」を2020年モデルとして発表した。
ボディサイズは全長4630×全幅1934×全高1234mmで、ホイールベースは2722mm。スタリングは、先代の7代目まで継承されてきたFRからMRに駆動方式を変更したことにより、キャブフォワードのスタンスをとる。
ミッドシップマウントされたエンジンは気筒休止機構を備えるLT2型の6.2L V型8気筒OHVで、495ps/637Nmを発揮。これに8速DCTを組み合わせる。乾燥重量で1530kgのボディを、停止から3秒未満で60マイル(約97km/h)に到達させる加速性能が与えられた。
電子制御式のLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)や、「マグネティック・セレクティブ・ライド・コントール4.0」を採用した最新のダンパーシステムといった先進技術の導入などにより、普段使いもしやすい真のスーパースポーツカーとしてのパフォーマンスを実現した点も新型の特色だ。
走行モードは「ウェザー」、「ツアー」、「スポーツ」、「トラック」の4モードを従来型から受け継ぎつつ、新たに「マイモード」と「Zモード」を追加した6モードを設定。「マイモード」は読んで字のごとく、各種設定をドライバーの好みに合わせて調整が可能だ。「Zモード」は、従来のコルベット・シリーズに設定されてきた高性能版「Z06」や「ZR1」、「Z51」にちなんでネーミングされたもの。ステアリングホイールに備わる「Z」ボタンによって起動するこのモードは、「マイモード」の設定に加えてエンジンやトランスミッションの調整も可能となる。
エクステリアデザインは近代的な戦闘機やF1マシンにインスピレーションを得た。リヤフェンダー前方に設けられたエアインテークが、ミッドシップモデルを実感させる。その一方で、フロントマスクや水平基調のプレスライン、そして大胆なフェンダーの造形など、コルベットのデザインDNAは新型にも受け継がれている。着脱式のルーフパネルはリヤのトランクに収納可能だ。
従来型より16.5インチ(約420mm)前方に配置されたキャビンは、センターコンソールがパーティションのように左右シートを分割。センターパネル上部に配置されたスクリーンもドライバー側に傾けられており、ドライバーオリエンテッドとなるコックピットが特徴だ。ボタン式のシフトセレクターや、各種操作ボタンを配置したコンソールも新型のインテリアを大きく特徴づけている。なお、新型ではコルベット史上初めて右ハンドル仕様も設定されるとのこと。
ミッドシップモデルに生まれ変わったが、実用性は確保されている。フロントフード下とリヤエンドに設けられた荷室容量は合計で357L。前後それぞれにゴルフバッグが収納できるという。
新型コルベットは2019年末より、歴代モデルと同様に米国ケンタッキー州ボウリンググリーン工場で生産される。