カモメの翼を持つ稀代のスーパースポーツ「メルセデス・ベンツ 300SL」【世界の傑作車スケルトン図解】#02-1

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先進技術を満載し、時代のシンボルとなったガルウィング

カモメの翼のごときガルウィングドアを持つ、稀代のスーパースポーツ。現代メルセデスのSLS-AMGやAMG GTのモチーフともなった300SLは、高度な鋼管スペースフレームや燃料噴射式のエンジンを与えられていたが、それらはすべてモータースポーツにおける優位性や機能を追求したゆえのもの。しかし、その結果として得ることになったガルウィングドアや高性能は、1950年代の自動車界における“アイコン”として崇拝される要因となった。

1:狭い開口部からの乗り降りを容易にするため、ロックを解除するとガクッと角度を変えるステアリングホイール
2:市販車としては史上初の筒内ガソリン直接噴射エンジン(ボッシュPES6KL70/320R2-2617ポンプによる機械式)。2996ccの直列6気筒シングルカムエンジンは215ps/5800rpmと28.0kg-m/4600rpmを生んだ
3:ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション
4:アルフィン・ドラム式のブレーキ(前後輪とも)
5:エンジンルームからの熱気アウトレット
6:小径の鋼管で立体的に組み上げたスペースフレーム
7:剛性を確保するため、高くなったサイドシル
8:ローピボット/シングルジョイント・スイングアクスルによるリアサスペンション
9:象徴的なガルウィング式ドア

MERCEDES-BENZ 300SL

■生産年:1954〜1957年(クーペのみ)
■生産台数:1400台(クーペのみ)
■国籍:ドイツ

Specification/MERCEDES-BENZ 300SL
■全長×全幅×全高=4520×1790×1300mm
■ホイールベース=2400mm
■車両重量=1295kg
■エンジン種類=水冷直列6気筒SOHC ■排気量=2996cc
■最高出力=215ps(158kW)/5800rpm
■最大トルク=28.0kg-m(274Nm)/4600rpm
■トランスミッショッン形式=4速MT
■サスペンション形式=前 Wウィッシュボーン、後 スイングアクスル
■ブレーキ=前 ドラム、後 ドラム
■タイヤサイズ=6.50-15

テクニカルイラスト:山田ジロー

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