AUSTIN A60はシェフの腕が試される好素材【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

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カー・マガジン編集部員がこれは! と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!? 』。機関好調な英国サルーン4台+1を一度に取材してきた中から、前出のMGマグネットの後継モデルを今回はご紹介。暑い夏の間は、クーラーの利いた涼しい室内で、100ドロカーを物色するのが正しい自動車趣味の過ごし方?

昔のことは忘れて今を生きるべし

先入観は見事に裏切られ、するすると動きスピードも伸びやか。クイックに動かすというよりも、よどみなくシフトを操りスムーズに走らせるのが気持ちいい。

以前紹介したヴァンデンプラ1500よりも、さらに遭遇率が低いと思われるレア物件のオースチンA60ケンブリッジ。見るの触れるのも初めてだが、ドライブした印象は思ったより扱いやすく、速い、だった。
というのも、エンジンは1.6リッターの英国車ではお馴染みBタイプ。そしてバティスタ・ファリーナが手掛けたボディは伸びやかで、車内も普通にシートに腰かけてシフトレバーを操ると1速が”遠い”と感じるほどに広い。そのため鈍重なクルマかなと思ったがさにあらず。クラッチを繋ぎスロットルを少し踏み足す程度でするすると動き出し、さらに踏み込めば自然とスピードも乗ってくる。
機関好調、なのだがボディや内装のダメージは進行している。ハッキリ言ってバリモンに仕上げるには相当な覚悟が必要だろう。
しかし、多少手直しする程度で現状を楽しむ向きには見逃せない。個人的にはカフェレーサーに仕立てて”遊ぶ”のも良いと思った。

お馴染みのBタイプ・ユニットは現状でも問題はないが補器類、チューニングパーツも豊富なためイジルには最適な素材だ。広大なトランクスペースは、ご覧の通りサビが進行している。それに比べると車内のフロアコンディションは意外なほど良好だ。インテリアは非常にシンプルでオリジナルコンディションが維持されている。シートは大ぶりでクッションにも厚みがあり居住性はかなり良い。ただしシート生地にダメージあり。

1968 AUSTIN A60

780,000円

【編集長の傍からヒト言】

前出のMGマグネットの後継モデルですが、こちらはバッジエンジニアリングのオースチン版。この”ファリーナ”は、「先代の方が良かった」と当時のジャーナリストには不評でしたが、時の流れが全てを解決してくれたと思います。

【問い合わせ】

ナカオワークス 080-5652-6600

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:近藤浩之/Hiroyuki KONDOU カー・マガジン483号(2018年9月号)より転載

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