富士スピードウェイ【2019年5月15日(水)開催】
BMWワンメイク ドライビング レッスン
Featuring BMW M Power
何よりも「走る」ことに主眼が置かれた恒例イベント、BMWワンメイク・ドライビング・レッスンが今年も開催された。富士スピードウェイには主要なMモデルを筆頭に最新のBMWが集結。天候にも恵まれ、その魅力を満喫するには絶好の1日となった。
「試乗こそ最高のブランド体験」を標榜するBMWジャパンの協力を得て開催されているこのイベント。それだけに、メインコンテンツとなる〝レッスン〞の合間に行なわれる最新モデル試乗もいまや目玉のひとつになっている。
昨年末からBMWは矢継ぎ早という勢いでニューモデルを日本に導入しているが、今回揃えられた試乗車もそれを反映して実に新鮮。ラグジャリークーペとしては久々の復活にして6シリーズの実質的後継となる8シリーズからはM850iが用意され、同じく復活組のZ4はM40iがエントリー。またSUV、もといSAV系からは上陸したばかりの新型X5に加え、その俊足ぶりも話題となっているMパフォーマンスモデルからX3M40dとX2M35iが投入。それにBMWを「現在」を体現している新型3シリーズと毎回人気を集めるM2コンペティションというラインアップだった。
ニューモデル試乗
もっとも従来通り先導車という「お目付け役」付きの特設コース試乗なので、さすがに試乗車本来の魅力を堪能というわけにはいかない。しかし、街中が主体とならざるを得ない販売店試乗と比較すればその違いは明らか。短時間ながらバリエーションに富んだ最新BMWを一度に楽しめる機会とあって、今回も参加者の評判は上々といえるものだった。
だが、このイベントの真骨頂といえるのはやはり参加者が愛車で走る機会が豊富に設けられていることだ。ニューモデル試乗と並行して行なわれた午前のプログラムでメインとなったのはジムカーナ・レッスン。その目的は、BMW本来のパフォーマンスを体験することと基礎的なコーナリング技術の習得にある。参加者は愛車、もしくは用意されたMモデル(今回はM2コンペティションとM3、M4だった)で特設コースを周回するのだが、事前にインストラクターのデモ走行やブリーフィングを実施。走行中もアドバイスが提供されるなど、限られた時間ながら濃密な内容となっている。
ジムカーナ・レッスン
富士スピードウェイの駐車場に作られたジムカーナ・レッスン用の特設コースは、ステアリングとペダル操作の連携、理想的ライン取りと乗り手の正確な視線移動の修得に主眼を置いて作られたもの。今回は前回とほぼ同じレイアウトとのことだが、いまやリピーターが少なくないイベントということで機会ごとにアップデートも実施されている。また、午後に行なわれるフリー走行に役立つものとするべく、そのレイアウトはタイトな複合コーナーが続くレーシングコースの後半セクションを想定したものになっている。
BMW M5体験
なお、ジムカーナ・レッスン時には待ち時間を利用するちょっとした「お楽しみ」もある。それは、レッスン用のコースで試乗会とは別途に用意されたMモデルを味見できることだ。前回はM2コンペティションだったが、今回はM5が2台用意されていた。残念ながら走行は1周のみと短いのだが、試乗時はインストラクターが同乗。メンバーは本誌レギュラー執筆陣のひとりにして、BMWへの造詣も深い萩原秀輝氏と若手レーシングドライバーの久保凛太郎選手と豪華だっただけに、参加者は乗用車系Mモデルで初の4WDとなったM5ならではのパフォーマンスをしっかり確認できたはずだ。
今回のインストラクター陣
ちなみにジムカーナ・レッスンは、途中にインターバルを挟みながら1回3周を3セットというのが基本。前述した通り、走行中はリアルタイムでインストラクターからアドバイスが得られるほか(今回はM4 GT4を駆りブランパンGTシリーズに参戦している木下隆之選手と、若手レーシングドライバーの根本悠生選手が担当)、時間的に問題がなけければセット数を増やした「おかわり」もあるとあって走り応えは十二分。実際、今回が初という参加者からは「こんなにたくさん走れるとは思っていなかった」というコメントも寄せられている。