ナニーニ、ラリーニ気分はどちら? ALFA 155 2.0TS、イタドロ編2/3【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

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カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する、恒例の『100万円でドロ沼に陥る!? 』ですが、前回から3回に分けてイタリア車でドロ沼に陥る!? 、略して”イタドロ”の2回目。字面で、整備の無限ループを想像した方、それは間違い。一度運転席に座れば、たちまちドライバーを魅了する。そんなイタリア車のドロ沼へようこそ!

珠玉のスポーツセダン

前モデルの75は、トランスアクスルやインボードディスクブレーキなど凝った機構を持っていたが、155では一転、オーソドックスなFFセダンとなった。それでもスポーツセダンの代表格として挙げられるのは、CCISやDTMでの活躍はもちろんあるが、素性の良さがあればこそ。2.0ツインスパークは、突出したエンジンパワーや機構はないがまとまりが良く、乗れば乗るほど体に馴染み、気づけば離れられないといった類だ。

Tチェーンの2L直4は、1気筒当たり2本のプラグを持つツインスパーク。淀みなくレッドゾーンを目指す胸のすく加速が魅力だ。5速M/Tとの相性も良く低速域でも扱いやすい。

とは言え第一印象が悪ければ、永い付き合いは予感できない。しかしここで取り上げた個体は艶のある赤いペイントを保ち、内装も良好。ファブリックシートに破れはなく大切に乗られてきたことが容易に想像できるほど。粗を探せば、補修したくなる箇所はある。しかし気軽に乗れるコンディションをお探しの方であれば、一見の価値あり。ツーリングカー選手権で一時代を築いた155で、”箱使い”を気取るのも悪くない。

ボクシーなボディ形状のため見切りは良いが、かつてのアルファらしくステアリングの切れ角は少ないため切り返しや駐車には慣れを要する。ダッシュのコンディションは良好で前オーナーにより大切に保管されていたことがわかる。シート表皮にも破れなどは見られない。フロント以上にリアシートは良好だ。ラゲッジスペースの天地は十分すぎるほどだが、奥行きはそれほどない。内張りは垂れている個所が所々見られた。

1994 ALFA 155 2.0TS

車両購入価格:480,000円

【編集長の傍からヒト言】
かつては編集部のレポート車としても活躍していた155。当時、DTMでメルセデスやBMW、オペルなどのドイツ勢を蹴散らしまくっていたこともあり、”強くて速くて美しい(?)アルファ、ついに降臨!!”みたいな雰囲気も確かにあった。DTMマシーンと市販車とは別物だが。美しい思い出を大切にしているイタ車ファンに、ぜひ乗っていただきたい。

【問い合わせ】
フィオラーノ 0297-39-2416

 

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:山本佳吾/Keigo YAMAMOTO カー・マガジン485号(2018年11月号)より転載

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