スズキ・スイフト・スポーツ vs ルノー・トゥインゴGT、高い運動性能が与えられた日仏を代表するコンパクトスポーツ対決【清水和夫のDST】#90-1/4

稀有なプロフィールを持つトウィンゴGTは個性溢れる小さな巨人

ドライブフィールはまるで異なる2台のコンパクトスポーツ。ルノー・トゥインゴGTは4ドアのスモールカーだが、“ファミリーカーの皮を被ったスポーツカー”といえるような運動性能を持っている。同じリアエンジンのポルシェ911を彷彿とさせるような優れたトラクション性能と、トルクフルなターボユニットとの相性の良さも際立っている。
背が高いため、SUVのような目線でドライビングできるのはメリットになるが、ホイールベースが短いので、高速走行では横風の影響をどれくらい受けるのか心配していたが、テストコースのように横風をまともに受けるステージで、今回のようなウェットコンディションでも挙動の乱れはなく、かなり安定して走行することができた。

3気筒のターボエンジンはルノー製で、プラットフォームはメルセデスメイドということもあり、シャシー制御では特にESP(エレクトリック・スタビリティ・コントロール)のプログラミングが実に巧みだ。その昔、初代スマートと同時期に登場した初代Aクラスは、エルクテストで横転の危険性があると指摘され、リコールを余儀なくされたが、その時にESPを標準装備にして以来、メルセデスはその制御に磨きをかけてきた。単にアンチスピン的な安定性を高めるだけでなく、横転を防ぎ、安全性を高める制御を行なっている。それがトゥインゴGTにも標準で装備されており、協業の効果はしっかりと反映されているようだ。

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2018年7月号より転載

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