ベースはクリーンディーゼル仕様の「エクシード」

三菱自動車は、‘19年８月で生産が終了する「パジェロ」に特別仕様車の「ファイナル・エディション」を設定。4月24日より販売を開始した。販売台数は700台の限定で、消費税込みの車両本体価格は4,530,600円だ。

初代パジェロは1982年にデビュー。ジープ譲りの高い悪路走破性と乗用車感覚の本格オフロード4WD車として人気を獲得。‘91年には2代目へとモデルチェンジし、フルタイムとパートタイムの両方式の長所をあわせ持つ（当時）世界初の「スーパーセレクト4WD」を採用。悪路走破性に磨きをかけると同時にラグジュアリー性を高め日本のRVブームを牽引した。世界的に見ても、現在に至るSUVカテゴリーの確立にパジェロが大きく貢献したことは誰もが認めるところだろう。

初代

2代目

世紀末の‘99年には3代目へとモデルチェンジ。ラダーフレーム構造からビルトインフレーム構造のモノコックボディとなり、軽量化と高剛性化を実現。高い悪路走破性に加えて、優れた操縦安定性と乗り心地を両立した。そして’06年には現行モデルへとスイッチ。従来から定評のあった4WDシステムの「スーパーセレクト4WD-Ⅱ」に加え、新たにアクティブスタビリティ＆トラクションコントロールなどを採用、走りのパフォーマンスに磨きをかけている。

3代目

また、パジェロはモータースポーツでも輝かしい戦績を残している。世界一過酷なラリーといわれるダカール・ラリーに発売翌年の‘83年から参戦し、7大会連続を含む通算12回の総合優勝を誇っている。

そんなパジェロの国内向けでは名前通り最後の特別仕様となるファイナル・エディションは、3.2Lのクリーンディーゼルを搭載した「エクシード」がベース。ボディカラーはモノトーンの「ウォームホワイトパール」と「ブラックマイカ」、「スターリングシルバーメタリック」に加え3ウェイ2トーンの「スターリングシルバーメタリック／アイガーグレーメタリック」の全4色を用意。外装ではこれに人気オプションのルーフレールと電動ロングサンルーフを組み合わせる。

一方、インテリアでは本革シートとパワーシート（運転席／助手席）を標準装備。質感を向上させている。また、機能面では寒冷地仕様や走破性向上に寄与するリヤデフロックを標準装備するほか、SRSサイドエアバッグ＆カーテンエアバッグも標準化して安全性を向上させている。なお、成約時には「FINAL EDITION」のロゴ＆シリアルナンバーが刻印されたイルミネーション付きスカッフプレート、シリアルナンバー入りのオリジナルウォッチ、オリジナルステッカーもプレゼント。最終モデルに相応しいエクスクルーシブ性も演出されている。

これまで、国内向けは累計で64万台以上が販売（‘19年３月現在）されてきたというパジェロ。三菱車では軽自動車の「パジェロミニ」や「パジェロイオ」といった派生モデルが展開されただけでなく、日本を代表するSUVのひとつとして知られてきた伝統の銘柄だけに生産終了は寂しい限りだ。とはいえ、海外では70カ国以上で販売される「パジェロスポーツ」が健在。海外販売向けのパジェロも生産を継続するそうなので、日本のファンとしては新型にリニューアルされての復活を期待したい。

パジェロ・ファイナル・エディション車種サイト：

https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/final_edition/