加速もブレーキングもボクスターSの方が高め!? 最強ポルシェにメルセデス流儀で果敢に挑む【清水和夫のDST】#76-2/4

加速もブレーキングもボクスターSの方が平均点は高めと言えるだろう

MERCEDES-AMG SLC 43

まだSLKのイメージが抜けない中、他の車両とバトルすることに違和感を感じていたが、SLC43はAMG風味をブレンドしているので普通のSLCではない。3LのV6ターボは520Nmのトルクを発生(ボクスターSは420Nm)、ギアボックスはトルコン9速ATなので、発進は高級車らしくスムーズで、ローギアードでクロスしている。しかしV6なので、振動や音は高級車らしいフィーリングだ。ボクスターSほどダイレクト感はないがSLC43の走りの印象は良かった。ただし、気になるのはブレーキ。データ的には十分だが、踏み込むほど効きは良くなるものの、最後は摩擦力が期待したほどは得られなかった。
●加速:0.54G(★★★★)
●減速:1.12G(★★★★)

PORSCHE 718 BOXSTER S

今回テストしたボクスターSは2.5Lフラット4だが、ターボは高性能な可変ジオメトリータービンを使っているので、実際のテスト結果は想像よりも良かった。このターボシステムは911ターボとほぼ同じで、低速からレスポンス良くトルクが発生する。ローンチスタートではPDKのクラッチミートが巧みで、素早くエンジンのトルクをタイヤに伝える。だいたい2800rpmでパンチの効いた加速感が味わえ、0→100km/h加速は2.5Lとしては世界最速ではないだろうか。ブレーキは宇宙イチ効くが、911カレラSに採用されたフローティング式のキャリパーではなかったのが残念だった。
加速:0.60G(★★★★★)
減速:1.24G(★★★★☆)

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2017年1月号より転載

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