次世代の都市モビリティのビジョンを示す
シトロエンの「アミ」というクルマをご存じだろうか。1961年から1976年まで生産された4人乗りの小型の大衆車で、セダンのベルリーヌやワゴンのブレーク、そしてハッチバックの3タイプのボディを設定。モデルライフの17年間で、約184万台が生産された。ベースとなった2CVとともに、シトロエンの歴史を語るうえでは欠かせないモデルである。
そんなアミのネーミングが復活する。2月19日、シトロエンは3月に開催されるジュネーブ・モーターショー2019で、次世代の都市モビリティのビジョンを示すスモールEVコンセプト「シトロエン・アミ・ワン・コンセプト」を披露すると発表したのである。
2人乗りとなる超小型ボディのサイズは全長2.5×全幅1.5×全高1.5mで、立方体のフォルムをもつ。特徴的なのがドアの開閉方法で、運転席側は後ろに、助手席は前にヒンジが備わり、サイドによってドアの開き方が異なる。前後で対照的なライトのデザインや、張り出した前後フェンダーもこのモデルのルックスを独特なものにしている。
フロントのグラスエアリアがサイドにまわり込むように広く取られるほか、ルーフにキャンバストップが設けられ、室内には光が十分に入る。コンパクトボディながらキャビンは高い居住性を追求。ディープブルーやオレンジといった鮮やかなカラーが随所に採用され、明るいイメージが強調されている。ファブリック素材のシートは、シースルーのシートバックがユニークだ。
このコンセプトモデルは、スマートフォンがマンマシンインターフェイスの中心になるよう設計されている。ドライバーは、自分のスマートフォンをドアノブに備わるQRコードにかざしてキーを開錠。車内に乗り込み、ステアリングホイールやメーターパネルが一体となった「ドライブポッド」にスマートフォンをセットすればパーソナルアシスタントを含む各種インフォテイメント機能が起動する。
搭載されるEVパワートレインは、リチウムイオン電池を組み合わせたもので、最高速は45km/h、一回の満充電で100kmの航続距離を実現する。公共のウォールボックスを使うと、バッテリーは2時間で充電が完了する。
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