トヨタがCESで自動運転の新型実験車を公開

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ベースはレクサスの現行「LS」

トヨタ・リサーチ・インスティテュート(以下TRI)は、ラスベガスで開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、新型の自動運転実験車「TRI-P4」を披露した。P4は新型(第5世代)の「レクサスLS」をベースとした車両で、TRIは2つの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)、双方の開発をこの車両で推進する。

TRIで自動運転技術を担当するシニアバイスプレジデントのライアン・ユースティスは次のように述べている。

「私たちのショーファーの開発は完全な自動化、すなわちすべての、もしくは限られた運転環境においてドライバー不在での自動運転に重点を置いています。一方でガーディアンは人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるものです。この新しいP4実験車をこの春からテストに導入していくことで、ショーファー、ガーディアン双方の開発をさらに加速させることになるでしょう」

このP4実験車は、LSの新しいシャシーとステアリングの制御技術を活用することで、より俊敏でレスポンスが良くスムーズな自動運転を実現している。

P4実験車には従来からふたつのカメラを追加し、両サイドの認識性能を高めているほか、自動運転車用に設計されたふたつの画像センサーを前方と後方に追加している。レーダーシステムは、車両周辺の近距離の視野を向上させるべく最適化。8つのスキャニングヘッドを持つLIDARシステムは前モデルである「プラットフォーム3.0」で使用しているものを踏襲しつつも、新型LSのデザインに合わせた形状としている。

P4実験車は、前世代のプラットフォーム3.0から「賢さ」をさらに向上させている。より高い計算能力をもち、高い機械学習能力と早い学習能力を兼ね備えている。すべてのコンピュータはハイブリッド車の二次電池を使用し、12Vのバッテリーはバックアップとしてのみ機能している。

トランク内にあるコンピューターボックスは、自動運転システムの頭脳として機能。このボックスはリアシート背後の枠に平行に取り付けられており、中身にアクセスする場合には開くようになっている。これにより、トランクスペースはすべて本来の荷物用として使うことができるようになった。

P4の外形デザインは、今回もミシガン州アナーバーのCALTYデザイン・リサーチが担当した。CALTYデザイン・リサーチのシニア・リード・デザイナーのスコット・ローラーは次のようにコメントした。
「私たちは、自動運転用のパーツを新型LSのデザインと一体化させるというアプローチでデザインに取り組みました。その結果、SFのなかのグラフィックデザインに少しヒントを得たような、流れるような表面と独立感あるデザインにまとまりました」

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