「クラリティ・フューエルセル」へのフル充填が可能

11月21日、ホンダは高圧水電解型の水素ステーション「スマート水素ステーション（SHS）70MPa」の受注を開始したと発表した。

SHS 70MPaは、燃料電池自動車（FCV）に供給する高圧水素を製造・貯蔵・充填する装置で、高圧水電解型の水素ステーションとして世界初となる充填圧力70MPa（メガパスカル）・製造圧力82MPaを実現。環境省の支援制度を活用し、2016年10月に東京都江東区青海で開始した実証実験を経て商品化された。

ホンダ独自の技術である高圧水電解システム「パワークリエイター」により、コンプレッサーを使用せず高圧化できるためコンパクトなサイズを実現したことも特徴で、再生可能エネルギーなどの電気で水を電気分解して水素を製造する。また、充填圧力を70MPaにすることにより、ホンダのFCV「クラリティ・フューエルセル」に水素のフル充填が可能な小型水素ステーションとなる。

ホンダは、日鉄住金パイプライン&エンジニアリング（NSPE）とパートナーシップを締結し、SHS 70MPaのコアシステムであるパワークリエイターをホンダが製造・供給し、NSPEがSHSの水素貯蔵・充填システムの製造および全体の組み立てを行なう。また販売・アフターサービスについてもホンダ自らが行なう。

ホンダは「すべての人に生活の可能性が拡がる喜びを提供する」ことを目指し、「つくる・つかう・つながる」技術を組み合わせることで、エネルギーの地産地消と、カーボンフリー社会実現に向けた取り組みを拡大させていくとのことだ。

●SHS 70MPa主要諸元
・本体サイズ：幅3700×高さ2500×奥行き2250mm
・水素製造量：2.5kg／日
・充填圧力（製造圧力）：70MPa（82MPa）
・水素貯蔵量：約15kg@15℃
・ユーティリティ：AC200V（三相3線式）／水道水