【マツダ】電動化ロードマップにはロータリーエンジンの活用も

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内燃機関も今まで通りブラッシュアップ

小型ロータリーエンジンはガソリンだけでなくLPG、CNG、水素での駆動も可能で、マルチエネルギー発電という側面も期待される

マツダが新たな電動化に向けてのロードマップを公表した。基本的には2017年に示した長期計画に基づくものだが、クリーンディーゼルに圧縮着火ガソリンエンジン(スカイアクティブX)と、内燃機関のブラッシュアップに意欲を見せてきたマツダも、いよいよ電動化に乗り出すことになった。


マツダは燃料採掘から車両走行までのCO2排出量(企業平均)を2030年には2010年比で50%減という目標を建てており、そのためにはすべてのクルマの電動化が必要と判断。そのうちバッテリー駆動のピュアEVは5%にとどまるものの、ハイブリッドやプラグインハイブリッド、レンジエクステンダーEVへのシフトを進めていくことになる。一方で2019年にはスカイアクティブX、2020年には次世代クリーンディーゼルの投入も予定しており、内燃機関による駆動を確保しながら電動化も進めていく考えのようだ。

なかでも注目されるのが、小型のロータリーエンジン(RE)を発電専用に使うレンジエクステンダーEVで、この技術自体はすでに2013年に発表されて試作車も披露されていたが、いよいよ実用化に向けて動き出すことになる。REは小型で省スペース性に優れ、静粛性も高いことから発電用エンジンとして利用価値は高く、EVのスムーズさを阻害せずに実用化が図れるとマツダは見ている。さらにガソリンだけでなくLPGやCNG、水素での駆動も可能なことが実証されており、マルチエネルギー発電というメリットも備えている。


この特性は災害時の電気供給などに生かせる面もあり、大きく重いバッテリーを搭載するピュアEVとは違った利点もある。REを駆動用エンジンとして復活させたい想いは多くのマツダ社員が共有しているというが、まずはレンジエクステンダー用として生き残る形となる。

2019年にはスカイアクティブX、2020年にはEVの投入を予定するが、マツダならではの人馬一体感を次世代モデルでどう実現してくるのか。スタイリッシュなビジョンクーペで示した次世代魂動デザインも含め、電動化までの途上でもいろいろ話題を提供してくれることは間違いないようだ。

LE VOLANT 2018年12月号 Gakken Plus

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