Nederlandse Autodesigners

カーデザインの分野で、オランダ人がこれほど華々しく活躍していることは余り知られていない。本書はオランダ出身のカーデザイナー17人を取材してまとめられた、世界的デザイナーへの立志伝的資料集。

ポルシェで一時代を築いたハーム・ラガーイや近年のVOLVOデザインを担って来たフェディ・タルスマ始め、クリス・バングルの後を受けiシリーズやNext100などBMWグループのデザインを統括するA・V・ホーイドンク。シトロエンのデザインで独自世界を歩むイヴォ・グローエンなど、彼らの「三つ子の魂」に触れる幼少期のカーデザインへの目覚めからこれまでのキャリア、情熱の源などを紹介する。

代表作のスケッチやモデル制作風景など、得難い資料は著者独自のカーデザイナー達との太いコネクションと直接取材ならではのもので、対象はオランダ企業DAFに留まるデザイナーやコーチビルドの道を歩む独立系デザイナー、インテリア専業デザイナーにまで広がる。

本書はオランダ語記述と若干ハードルが高いが豊富なイメージを眺めながら気になるワードから理解を深める行為が楽しく、特に同業を夢見る人にはインスピレーションを刺激されるだろう資料集。

Nederlandse Autodesigners
著者など：Bart Lenaerts（著）
出版社：WAFT
ハードカバー／Ｗ297×Ｈ297／カラー・モノクロ／252p／オランダ語
12,960円 （税込）