横浜ゴムが合成ゴムの原料をバイオマスから生成

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新たな脱石油技術を開発

今回の新技術は、バイオマス由来の原料に置き換えることで、石油への依存度を低減し、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素排出量の削減に貢献

CO2削減に貢献 世界のタイヤメーカーがタイヤの脱石油化を進めているが、横浜ゴムもバイオマス(生物資源)から合成ゴムの原料となるイソプレンの生成に成功。現在は石油由来のナフサを主原料とするイソプレンだが、バイオマスから生産可能となれば世界初の快挙であり、CO2削減にも大きく貢献することになる。
この研究は横浜ゴムと理化学研究所、合成ゴムメーカー大手の日本ゼオンが’13年から共同で進めてきたもので、’15年にはコンピュータ内でイソプレン合成法を発見していたが、今回はそれを進化させてイソプレン生成機能を持つ細胞を創製。そこで生成されたイソプレンを重合してポリイソプレンゴムの合成も実現しており、タイヤなどゴム材料としての活用も可能としている。
具体的な実用化の時期などはまだ明示されていないが、持続可能な素材によるタイヤ開発は各社が競って進めており、そのひとつとして将来性の高い技術といえる。ミシュランもタイヤ原材料の80%をバイオ由来のものへ転換する研究を進めているが、果たして近いうちに大きなブレークスルーによって「タイヤの原材料はバイオマス」といった時代がやってくるのか!? 着々と進んでいるであろう各タイヤメーカーの次世代技術の研究に期待したい。

LE VOLANT 2018年10月号 Gakken Plus

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