【嶋田智之の月刊イタフラ】FCAを牽引してきたセルジオ・マルキオンネ氏が逝去

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ありがとう、マルキオンネ!

7月25日、長年にわたってフィアット・クライスラー・オートモービルズ(以下、FCA)のCEOを勤めたセルジオ・マルキオンネさんが亡くなりました。

1952年生まれのマルキオンネさんは、2003年に旧フィアット・グループに創業一族であるウンベルト・アニエッリ会長の推薦で取締役として加わり、翌年、社長に昇格。以来、働きの悪い幹部の解任、成果の上がらないGMとの資本提携解消、クライスラーへの資本参加、そして完全に傘下に収めてのFCA発足、傘下各ブランドの役割の整理、さらには傘下にあったフェラーリを別会社化。FCAをニューヨークとミラノで、フェラーリをニューヨークで上場させ……などなど、財務系のプロフェッショナルならではの手腕を発揮して、凄まじい赤字体質からの大改革を図ったのでした。

その一方でランチア・ブランドの事実上の閉鎖などファンを落胆させることもありましたが、彼がいなければチンクやアバルトの復活、アルファの活性化とF1への再参入などはなかったでしょう。マルキオンネさんはイタリア自動車産業の救世主だったのです、間違いなく。

後任が決まり、すでに動きはじめていますが、今はただただ、偉大な“セーター親父”にお疲れさま! と感謝を伝えたい気分です。

LE VOLANT 2018年10月号 Gakken Plus

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