レクサスの新鋭スポーツクーペが 美しき強敵、M6カブリオレに善戦【清水和夫のDST】Number 85-3

安定志向のLC500に対して
スポーツテイストのM6

BMW M6 CABRIOLET
●制動距離:74.0m(★★★★☆)

カブリオレなので、ボディ剛性が気になったが、M6としてのダイナミクスは期待を裏切らず、ステアリングの効きは文句ない。どちらかというと、リアの安定性が足りない感じで、旋回中はオーバーステア気味になった。その瞬間、電子制御が総動員し、姿勢を安定方向に保っていく。その間は、ブレーキ圧は減じられ、ブレーキの効きは甘くなる。だが、そもそもこのプラットフォームは7〜8年前のものなので致し方ない部分はあるだろう。いずれにしてもステアリングの切れ味は健在だったが、なんとかスピンしないようにDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)で最低限の安定性は確保していた。

LEXUS LC500
●制動距離:70.9m(★★★★☆)

100km/hで進入し、ほとんど同時にステアリングとブレーキを操作する。旋回し始めたと思ったとき、ABSがやや大袈裟に反応して、ブレーキ圧を減らしてしまった。感覚的にはもっとブレーキを効かすことができると思われたが、姿勢制御を優先するロジックを持っているようだ。リアグリップの安定性が高いので、もっとブレーキ力を発揮させてもいいだろう。2回目はステアリングをやや先行して操舵し、そこから制動力を強く立ち上げると、結果的には制動距離は短くなった。ドライバーの操作の仕方によって、結果が異なるのは改善余地があるかもしれない。もっとブレーキセッティングを攻めてもいいだろう。

ル・ボラン 2017年12月号より転載

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