いまさら聞けないクルマのアレコレ【SUBARUシンメトリカルAWD編】

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シンメトリカルとは!?

スバルが長年に渡りこだわってきたパワートレイン(エンジンやトランスミッションを含めて、駆動力をホイールまで伝達する一連のパーツすべてを指す)技術のひとつが「シンメトリカルAWD」だ。これは、4WD(AWD=オール・ホイール・ドライブで4輪自動車では4WDと同意)のクルマを構築するパワートレインが、車両の左右方向でシンメトリカル(=左右対称)であることを意味している。

他ブランドでも、トランスミッション(変速機/オートマティック、ダブルクラッチ、マニュアルなど。スバルではCVTを多く採用)や、ディファレンシャル(駆動輪の左右間にあるギアで主に左右のタイヤで生じる回転差を最適化)機構などはほぼ左右対称にレイアウトされるが、スバルが特徴的なのは水平対向式と呼ばれる独特なエンジン構造との組み合わせにある。

左右対称がもたらす利点

例えば、V型6気筒や一般的ではないがW型12気筒も左右対称なのだが、スバルの水平対向式はシリンダー(燃料を圧縮して爆発させる燃焼室)が水平(180度)の状態でマウントされている(一般的なV型エンジンのバンク角は60度)。世界的にみても、この方式を採用しているのはポルシェとスバルくらい。振動の低減や等間隔燃焼が実現しやすいほか、搭載位置を下げれば車両の重心が下げられるというメリットがある。また、エンジンの全高を低く仕上げて補器類を上に配置するといった工夫も左右対称へのこだわりといえる。
こうした左右対称パワートレインへのこだわりで得られるアドバンテージは、クルマはスタティック(静止)状態でのバランスはもとより、ダイナミック(動的)バランスいかんで走行性能が大きく左右される。だから、クルマの重量配分が設計段階から前後左右で整っていることは、走りにだけでなく快適性や安全性にも優れた武器という説が強い。

 

初のシンメトリカルAWD+モーター

そして、2018年7月に発売された第5世代目となる新型フォレスターには、水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた「e-BOXER」を設定。最高出力145psと最大トルク188Nmを発生させる自然吸気式(過給器を使わない、NA=ナチュナル・アスピレーション式)2リッター直噴水平対向エンジンに4.8Ahのバッテリーと電気モーター(13.6ps/65Nm)を組み合わせ、そのアシストで力強い加速と優れた燃費性能を実現しているという。
この「e-BOXER」が搭載されるフォレスターは「Advance」というグレードだが、ベースとなる水平対向式ガソリン仕様エンジンとそれに組み合わせる駆動系は、シッカリと「シンメトリカルAWD」を踏襲している。そして、システム図を見る限りでは、電気モーターはエンジンからリアのディファレンシャルへと伸びる直線上に配置され、重量の嵩むバッテリーはリアアクスル(リアのサスペンションを構成するベースとなる部分)の真上に搭載されている。電動化にあたり加えられた重量物もキチンと車両中央の下部に左右対称にレイアウトしている。スバルがAWD技術で磨き上げた走りには、シンメトリカルレイアウトは切っても切れないファクターであり、そのためにも水平対向エンジンは必須なのだ。すべてを理詰めでロジカルに組み上げるクルマ作りこそがスバルのスタイルといえるだろう。

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