NTNがステアリング補助機能をもつハブを開発、操作量を減らして素早い応答が可能に

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左右輪の転舵角をそれぞれ補正できる機能を搭載

タイヤ(ホイール)とサスペンションをつなぐハブ部分のベアリングでは世界シェアトップのNTNが、ステアリング補助機能付きのハブベアリングを開発。前輪を保持するナックル部分にアクチュエーターを内蔵し、ハンドルによる操作とは別に±3.5度の範囲で左右前輪を個々にステアできるシステムで、わずかながら左右輪を違う角度で操舵(補正)することも可能となる。

左右輪の舵角が違ってしまっても大丈夫なのか? と思うかもしれないが、走行状況に応じて微妙に左右輪の舵角を補正することでコーナリング性能や高速直進安定性が高まることは知られており、「sHUB」と名付けられたこのモジュールを装着することで車線変更時などの操舵角を4割低減でき、操舵初期のタイムラグを減らすことでレスポンスも5割改善できるという。NTNは神奈川工科大学との共同研究でこのsHUBを開発しているが、マツダのGベクタリングコントロールも神奈川工科大との共同開発であり、クルマの動きの分析という点で共通する部分があるのかもしれない。
舵角センサーと車速センサーからの信号をコントローラーが受け取ってハブの角度を制御するsHUBは、もともとのステアリング機構をいじらずに装着でき、危険回避性能の向上に貢献する可能性も秘めている。市販予定は2027年とちょっと先だが、どんな形で実用化が図られるのか、次の報告が楽しみだ。

LE VOLANT 2018年8月号 Gakken Plus

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