上海モーターショー2017におけるアストンマーティンの出展内容は充実したものとなった。
わずか5台のみが製作される「V8ヴァンテージSグレートブリテン・エディション」は、アストンマーティンのパーソナライズプログラム「Q by Aston Martin-Commission」による中国市場専用モデルだ。
208万8000人民元(約3310万円)で販売されるこのグレートブリテン・エディションは、ストレータス・ホワイトをベースとしたボディに、ブルーのミラーカバーやリアディフューザーを装着。ボディ前後のウイングバッジは、英国国旗ユニオンジャックに使われるレッド/ホワイト/ブルーのカラーが用いられた特別なものに。深い色味が特徴的なインテリアカラーはオーロラ・ブルーで、スペシャルモデル「ザガート」に用いられたウェーブ・キルティングが採用されている。センターパネルのコントロールノブはアルマイトブルーだ。
アストンマーティンのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフクリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、次のようにコメントしている。
「Q by Aston Martinは、2012年の立ち上げ以来、大きな成長を遂げています。私たちは、お客様とともに作業をする機会を通じて、パーソナリゼーションを新たな次元へと引き上げました。弊社は、中国市場を非常に重視しています。中国のお客様を念頭において、Q by Aston Martin Commissionが特別にデザインしたV8ヴァンテージSグレートブリテン・エディションの製作を発表したことは、その取り組みを具体的に示すものです」。
さらにアストンマーティンは同ショーにおいて、高性能ブランド「AMR」も発表。この新サブブランドは、アストンマーティンのレースの血統を反映し、モータースポーツからテクノロジーとインスピレーションを受けて、モデルラインナップ全体にわたってスポーティな本質の強化を図るもの。動力性能を強化し、よりシャープなハンドリングとパワフルなデザインを与えることによって、AMRはアストンマーティンのロードカーを新しいエキサイティングな高みへと導く。
同ショーでアジアデビューを飾った「ラピードAMR」は、AMRの第一弾となるモデル。動力性能やシャシー、スタイリングに改良を加えるとともに、インテリアにも特別な仕様を施す。一方、「ヴァンテージAMR Pro」は、レースカーのテクノロジーをロードカーに移植するというAMRの「サーキットからターマックへ」の哲学を妥協なく具現化した。
アストンマーティンのアンディ・パーマー社長兼CEOは、AMRについて次のように説明している。
「AMRは、いつかは実現したいコンセプトでした。ヴェンテージGT8やヴァンテージGT12といったクルマにより、我々のお客様がレースの血統を持つモデルを好むことが証明されました。しかし時として、パフォーマンスをより研ぎ澄ましたクルマをつくる機会が与えられても、生産仕様としては、本格的なレースカーのようなモデルには至らないことがあります。AMRブランドにより我々は、そうした機会を実現する完璧なプラットフォームを得ることができました。上海で公開されたラピードAMRと、ジュネーブショー2017で発表されたヴァンテージAMR Proは、市販化が確認されています。ラピードAMRは210台の限定、ヴァンテージAMR Proはさらにレアなリミテッドエディションとして、最大7台の製作が予定されています。これらのモデルは、非常にエキサイティングなプログラムの最初のステップであり、今後、順を追ってアストンマーティンが提供するモデルのそれぞれに、AMR仕様が登場することになります」