BMWのモータースポーツ部門が開発、1978年に市販された2シーターのスポーツクーペがBMW「M1」だ。デザインはイタリアの鬼才ジウジアーロが主催するイタルデザインが担当、企画当初はシャシーの開発と製造をミッドシップレイアウトに知見のあるランボルギーニが担当するという、独伊合作ともいえるユニークな出自も話題をさらった。
徹底したコダワリは実車のM1同様
エンジンは総排気量4.5リッターのV型12気筒ユニットが搭載される予定であったが、オイルショックの後遺症が残る時代の話。これは不採用となり、結果3.5リッターの直列6気筒エンジンとされた。それでも3153ccにKKK製ターボを装着したグループ5仕様は、850ps/9000rpmを発揮するに至る。車体構成も実にユニークで、セミスペースフレームボディに軽量なFRP製の外板を組み合わせていた。
その後市販化に向けて生産が開始されたものの、ランボルギーニよるシャシー製造は大幅に遅延。BMWによるランボルギーニの買収話まで出たものの、紆余曲折を経て、ボディ製造はイタルデザインのまま、シャシー製造はドイツのバウアーに変更して生産が継続された。
それでも生産効率の悪さは解決されることなく、グループ4のホモロゲーション取得もままならなかった。結果、モータースポーツでの成功を目指して企画されたM1だが、F1の前座として開催されたワンメイクレース「プロカー・レース」に参戦するにとどまった。
こんなユニークなストーリーを持つBMW M1だが、その名声は決して色褪せていない。スーパーカーブームを知る世代にとっては、なおさらではないだろうか。総生産台数わずか477台という希少性もあり、現在実車は完全なるコレクターズアイテムとなっている。
しかし…そんなBMW M1の新車が、わずか約2万円で購入できるのだ。耳を疑いたくなるだろうが本当の話。もちろん、ミニチュアカーだが……。
この1/18ミニチュアカーのM1が、実によくできている。製造は、1981年に香港にて創業したWan Ho Industries社。ジウジアーロ・デザインのボディを実に上手く再現しており、ホイールやフロントグリルといったクルマ好きが気にするポイントも納得の仕上がりだ。それもそのはず、本ミニチュアカーはBMW AGによる認証と品質チェックをクリアした「BMWコレクション」のアイテムなのだ。
実車を手に入れることは容易ではないが、こんなミニチュアカーを飾って楽しんでみてはいかがだろう。 価格は税込2万1708円となっている。
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Text:Reggy KAWASHIMA Photo:BMW JAPAN
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