4月1日、富士重工業株式会社は社名を「株式会社SUBARU(カブシキガイシャ スバル)」に変更した。なお、英文表記は「SUBARU CORPORATION」となる。
“価値を提供するブランド”へ
社名変更に際して3月31日には、東京都渋谷区の本社および各事業所・製作所3カ所にてそれぞれ、社員向けの記念式典を開催した。本社の式典会場には、SUBARUを自動車と航空宇宙事業に置ける、魅力あるグローバルブランドとして成長させていく象徴として、2016年10月に発売された新型インプレッサと最新型ヘリコプター412EPI発展型機の大型模型が展示された。
今回の社名変更に際して、吉永泰之代表取締役社長は次のようなコメントを発表している。
「私たちは、今まで良いモノをつくる努力をしてきました。そして近年は、モノに加えてSUBARUにしか提供できない“価値”は何なのかを考えてきました。今回の、株式会社SUBARUへの社名変更は、私たちがこれから“価値を提供するブランド”として生きていくという決意表明です。SUBARUが好きだ、そんなお客様にもっともっと増えて欲しい。お客様に満足いただいた時に、そこには必ずお客様の笑顔があるはずです。新しい社名、株式会社SUBARUと共にみんなで一緒に、さらに一層輝いていきましょう!」
スバルは今後、従来にも増して、経営理念である「“お客様第一”を基軸に『存在感と魅力ある企業』を目指す」ことに取り組み、長年培ってきた「安心と愉しさ」という固有の価値をお客様に提供し続けることで、さらなる持続的成長を目指すという。
また、今回の変更にともない、グループ企業も社名を変更している。
・富士テクノサービス株式会社→SUBARUテクノ株式会社
・スバルシステムサービス株式会社→株式会社スバルITクリーエションズ
・Fuji Heavy Industries U.S.A., Inc. → North American Subaru Inc.
・富士重工業技術(北京)有限公司→斯巴鲁技術(北京)有限公司
・Fuji Heavy Industries(Singapore)Pte. Ltd. → Subaru Asia Pte. Ltd.
自動車メーカーの社名変更は、決して珍しいことではない。例えばマツダ。1920年に「東洋コルク工業」として創業し、1927年には事業変更にともない「東洋工業」に。そして1984年に現在の「マツダ」に変わっている。生産車のブランド名は1931年の自動車生産開始当時から「マツダ」を名乗っていたが、会社名とブランド名が異なることにより、なかなか浸透しなかった背景から、グローバルで一層親しまれる企業を目指して、ブランド名と同じ名前に変更された。
このたび社名を新たにしたスバルも、グローバルでのさらなる飛躍も込められているものと考えられる。スバルの今後に、大いに期待が膨らむ社名の変更である。