ダイムラーAGは、2016年10月に発表された同社初のピックアップトラック「コンセプトXクラス」を市販化すると発表。「メルセデス・ベンツXクラス」として、2017年後半から欧州を皮切りに、ラテンアメリカ、南アフリカ、オーストラリアに市場投入がはじまる。
急速に成長する中型ピックアップ市場に参入
ダイムラーでは、中型ピックアップトラックの市場が急速に変化していることを受けてXクラスの導入を決断。ピックアップトラックが単なる実用車として使われるだけの時代ではなくなり、多用途車として個人でも使用する割合が高まっているからだ。
ダイムラーでは、コンセプトXクラスで調査した結果をもとに、新型Xクラスはふたつの世界観のもとに展開するという。これはコンセプトの段階ですでに明らかだ。ひとつめは、電動ウインチや大型タイヤ、アンダーガードなどを装備、ピックアップトラックの古典的な特徴(機能性や強度、オフロード性能)を強調したもの。そしてもうひとつは快適性やドライビングダイナミクス、安全性を、都会的でスタイリッシュなルックスでまとめたものだ。
ターゲットカスタマーもふたつに大別される。ひとつは独自のライフスタイルを持ちプレミアム製品に親和性のあるファミリーで、通勤やショッピング、スポーツ、週末旅行などに使用。主要ターゲット市場はブラジルやアルゼンチン、オーストラリア、南アフリカだ。
もうひとつは、都市に住みながらスキーやジェットスキーといったアウトドアスポーツに積極的なユーザーで、ボートの所有者も含まれる。各種レクリエーションを楽しむのに十分な積載性と牽引能力を有する快適なプレミアムビークルを普段使いに必要としている人たちだ。主要ターゲット市場は、オーストラリア、南アフリカ、ブラジル、イギリス、ドイツとなる。
そのほか、建築関係をはじめとするビジネスでの使用も視野に入れているという。
なお、この新型Xクラスは、ルノー日産アライアンスとの協力関係のもとに製造されることになっており、欧州、オーストラリア、南アフリカ向けはスペイン・バルセロナの日産工場で、ラテンアメリカ向けは、アルゼンチン・コルドバのルノー工場で生産される。