業績もモータースポーツも絶好調
ポルシェの2016年は、2015年の販売台数が前年比19%増となる22万5121台と、過去最高記録を5年連続で更新したという景気のいいニュースから始まりました。
最量販市場としては中国が米国を抜き、車種別ではSUVの「マカン」の人気が高く、前年比で約8割増に。また、売上高は過去最高の215億ユーロ(約2兆7122億円)で25%増加、営業利益は34億ユーロ(約4290億円)を記録しました。これを受け、ポルシェは3月16日、ドイツ本社の全従業員に、8911ユーロ(約112万円)の特別ボーナスを支給することを発表しています。
新型車のトピックは、エントリースポーツカーの「718」と4ドアセダンである「パナメーラ」の話題に集約できます。そこで、その2車を中心にしたニュースをピックアップしてみました。もちろんポルシェになくてはならないモータースポーツでの活躍にも触れない訳にはいきませんね。
新型「911ターボ」を初公開
1月には2015年末に発表されていた改良新型「911ターボ」を、デトロイトモーターショーにて初公開しました。新型911ターボはよりシャープなスタイリングとなり、新開発のインフォテイメントシステムを搭載するなど、装備も充実させています。パワーユニットは3.8リッター水平対向6気筒ツインターボで、最高出力540psを発生。高性能版の「911ターボS」は580psとなり、トランスミッションは7速PDKのみの設定です。価格は911ターボが2236万円、同カブリオレが2502万円、911ターボSが2599万円、同カブリオレが2865万円とされています。
改名した「718ボクスター」「718ケイマン」の概要を発表
1月下旬、ミッドシップオープンスポーツの「718ボクスター」が発表されました。こちらは「ボクスター」の大幅改良モデルで、これを機に車名を「718ボクスター」に変更。これまでの6気筒からダウンサイジングされた、新開発の水平対向4気筒エンジンを搭載しながらもターボチャージャーで過給することで、パワーと環境性能を両立させています。ベースグレードには最高出力300hpの2.0リッター水平対向4気筒ガソリンターボを、「718ボクスターS」には350hpの2.5リッター水平対向4気筒ガソリンターボを搭載。日本国内での予約受注は2月1日よりスタートしました。
また4月には兄弟車となるクーペモデルの「ケイマン」にも同様の改良を実施。「718ケイマン」と「718ケイマンS」となり、こちらの予約受注は4月28日から開始されています。
新型「パナメーラ」を発表
6月には新型「パナメーラ」を初公開します。「4S」グレードは新開発の2.9リッターのV型6気筒直噴ガソリンツインターボエンジンを採用。先代より多少ダウンサイジングしながらも、先代を上回る最高出力440ps/5650rpm、最大トルク56.1kg-m/1750-5500rpmを発揮し、燃費も11%向上させました。
また、トップモデルとなる「ターボ」には550ps/770Nmを発揮する4.0リッターV8ツインターボを搭載。ポルシェはこのモデルでドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおけるタイムアタックを行い、7分38秒を記録して「世界最速の高級セダン」を自称します。「世界最速の高級セダン」というジャンル分けが妥当かどうか疑問もありますが、パナメーラの実績なら誰もが納得してしまう説得力がありますね。
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