新型「Eクラス・エステート」発表
同じく6月には、6世代目となる新型「Eクラス・エステート」が欧州で発表。4種類のガソリンエンジン、3種類のディーゼルエンジンが用意され、さらにAMGモデルも設定しています。荷室容量はクラス最大となり、半自動運転のDRIVE PILOTも導入されました。最近ではSUVに押され気味のステーションワゴンですが、欧州では復活の兆しをみせているようです。日本には11月に導入されました。
バスこそ自動運転
7月、「メルセデス・ベンツ フューチャー バス」というコンセプトモデルが発表されました。次世代の都市型公共交通機関として、半自動運転技術「シティパイロット」を搭載し、ステアリングやペダルをバス自身が操作し、停留所に止まれば自動的にドアが開閉されるというものです。すでに20kmの行程をドライバーが直接操作することなく、実験を完了したとされています。
各メーカーが開発にしのぎを削る自動運転ですが、完全自動運転を最初に実現するのは、公共交通機関であるバスが最初になるとみられています。このフューチャーバスは、大型バスでトップシェアを誇るダイムラーならでは試みといえるでしょう。
初のピックアップトラック「Xクラス」登場!
「コンセプトXクラス」はメルセデス初のピックアップトラックのコンセプトで、10月に発表されました。2017年後半には「Xクラス」として、南米、南アフリカ、オセアニア、そして欧州で市販される予定です。全高が1.9mにもなる巨大サイズで、生産はルノー・日産の協力のもとに行われるそう。それにしても、なぜメルセデスがピックアップを? しかもなぜ世界最大のマーケットである北米で発売されないのか? 考えられるのは、北米においてピックアップは安さが魅力。Xクラスは高級装備のためかなり高価になるはずで、北米のユーザーには受け入れられないという事情がありそうです。なにせメルセデスですから。
「Gクラス」の装備をアップデート
装備に改良が施された「Gクラス」は11月に発売。標準装備される最新のコマンドシステムは大型のディスプレイを備え、Apple CarPlayおよびAndroid Autoにも対応。インターネット接続や車両設定が容易になるなど、多くの機能が備わっています。誕生から37年目に販売記録を打ち立てる人気車種である「Gクラス」にも、最新アイテムが必須となったのです。
45カ月連続で過去最高の販売記録を達成
次は2016年も好調な販売についてです。ダイムラーは11月の販売台数を18万2602台と前年同月比12.7%増やし、45カ月連続で過去最高記録を達成したことを発表しました。これによりメルセデス・ベンツの2016年の販売台数は、11月の時点で2015年の販売台数を上回る189万3619台を記録しています。地域別では欧州で好調となったほか、中国とメキシコでも販売記録を更新しています。
「Eクラス・クーペ」発売
12月に発表されたエレガントなクーペスタイルの新型「Eクラス・クーペ」は、最新の運転支援システム、部分的な自動運転のオプションを特徴とし、2.0リッター直4ディーゼル、2.0リッター直4ガソリンターボ、3.0リッターV6ガソリンターボというエンジンラインナップで、すべてに9速ATの9G-TRONICが標準装備されます。
総括
これら以外にもさまざまな話題を提供してくれたメルセデス・ベンツですが、目立ったのは完全自動運転にもっとも近い運転支援システムの「DRIVE PILOT(ドライブパイロット)」をさまざまなクルマに続々と搭載してきたことでしょう。またSUVやクーペ、そして4ドアセダンと、主要ジャンルをくまなくブラッシュアップしてきました。いま求めらているクルマに「安全性」と「低燃費」をどこよりも早く、そして最高の性能で与え続けているからこその高いブランド力だということを改めて認識させてくれる2016年でした。
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